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僕らの冒険1  作者: じっつぁま
第二章 新しい町へ
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10話



始まりはボッチのベッドの中で


さみしくなんかないさ。

起きて洗面所で顔を洗う。

毎日の習慣で両手にダガーを持ち、訓練ができる場所へ移動する。


最近は両手持ちでの訓練に切り替えていた。

はっきり言って独学だが、左のダガーで受け、右で切る。足で蹴って回り、左手を振り上げ、右手で受ける。回るように切ったり受けたりをしながら、蹴りも混ぜ、演武の様に訓練を行う。


少し疲労感が出てきてから、投擲の練習もする。ナイフも混ぜながら、右、左、交互に的を狙う。

体感で1時間の訓練を終え、洗面所で体を拭き、朝食に向かう。


ご飯は宿以外で済ます。屋台の飯が案外うまい。今日はたこ焼きもどきだ。

ソースはないようだが、塩のつけだれが秘伝の様だ。

朝からパクパク食べ、今日の討伐クエストに向かう。


ブラックボアーは1匹狩ったら直ぐ町に持って帰り、それ以外は連続で狩りを続ける。1人になったので、無理をしない様にしているが、数匹かかってこられた場合危ないシーンはある。


切り傷、擦り傷、打撲など軽いものは水洗いだけしておく。深い傷を受けた場合はポーションを使う。

放置していた場合、HPが0にならなければ死なないと思うが、黴菌が入ったり、化膿した場合はやはり命に関わると思う。

そこらへんはどうなのかな、異世界。


少しずつお金が増え、レベルも上がる。体感的にはあまり強くなった気がしないのだけれど、予定通り次の町に向かわなければ。


レーコとケーゴのペアも頑張っているようだ。遠目で確認したがことがある。

レーコは風の魔法が使えるようだ。風魔法レベルが上がって癒しの風ができる様になったと、この間立ち話で聞いた。

もう少ししたら更に北へ行き、ケーゴの固有武器を手に入れるらしい。


「さて、そろそろスケルトンと戦ってみよう」


次の町に向かうのであれば、スケルトンと戦わなければいけない。

本日の目標は町の西側だ。


街道沿いに西に向かい、はぐれスケルトンを探す。

ここら辺は冒険者も多く、モンスターはある程度討伐されている。危険は少ないが、それでも遭遇したとき勝てるようになっておかなければいけない。


街道から少し外れ、森に向かう。鬱蒼とした森を進み、帰り道の目印をつける。

あまり奥に入ることもなく、スケルトン1匹が蠢いていた。


ナイフはもったいないので、足元から石を拾い投げつける。

投擲術の影響もあり、割と「ぼこっ」と音がした。

こちらに気づき、走ってくる。骨なので早くはない。今の敏捷度であれば逃げ切れそうだ。


スケルトンは錆びた剣を担ぎ上げ、袈裟切りに向かってきた。

左手のダガーでそらし、右手で切り付ける。


「かーん」


切った部位は頭蓋骨で、ほとんどダメージは入らなかった。

スケルトンの返しの剣をしゃがんで捌き、一旦離れる。


「関節を狙わないと、ダガーでは厳しいな」


ぶつぶつ言っている間に、またスケルトンは近づいてくる。

次は逆袈裟切りの様だ。今度は左手のダガーで剣を捌き、右手で左肘関節を狙う。


「がこっ」


関節が外れた音がする。


「うりゃぁ」


足でそのまま蹴とばし、体勢を崩す。

相手が木にぶつかった瞬間、「しっ」首の関節を狙い、首を跳ね飛ばした。


「はぁはぁ」


スケルトンの動きを観察する。この異世界では、首が落ちるとスケルトンは死ぬようだ。

そのまま崩れ落ちてしまった。

討伐証明部位は第2頸骨、喉仏と呼ばれる部分を採取する。

スケルトンの剣はそのまま崩れてしまい、ドロップ品にはならない様だ。

尚、第2頸骨をとってしまえば、再び立ち上がることはないらしい。


「ふぅ、少し休憩して、後2・3体戦っておこう」


久しぶりの緊張を体感し、数分蹲った後、今日は合計5匹のスケルトンと戦って町へ帰った。


スケルトンと他のモンスターの違いは、やはりその防御力の様だ。ゴブリンやグレイウルフ、ブラックボアーはどこを狙ってもある程度HPは削れる。

スケルトンは打撃武器でなければ、関節を狙わないとHPは削れない様だ。攻撃力はそんなに高くない、といってもゴブリンよりは強い。ダガーで受ければ負けてしまうだろう。

僕は数日スケルトンと戦って、戦い方を研究することとした・・・




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