元気
「ともくん!一緒帰ろ!!」
最後の授業のチャイムが鳴ると同時に彼女は俺に話しかける。さっきまで気持ちよさそうに寝ていたくせに・・・。証拠に机の上によだれの跡が・・・いやもうこの話はやめよう・・・。
「ともくん大丈夫?ともくーん?」
「あ?あぁ!!大丈夫だから!!ははは」
そう言って俺は苦笑いしながら誤魔化す。そっかと言いながら彼女は帰りの準備を始めていた。彼女の名前は「企救丘みこと」クラスメイトであり、隣の席の幼馴染みだ。彼女のことを一言でいうなら「元気」。いや、それ以外に表す言葉がない。俺、「田中 ともひと」を「ともくん」と呼び、1日に100回は言ってるのではないかというほど連呼する。そう考えるとかなりすごい。
「んでともくん。一緒帰れる?」
「うん、もちろん。」
「やったー!!!」
とびっきりの笑顔がまぶしい。そこまでうれしいのか!?!?まぁいいか。
「うれしいに決まってるじゃん!!」
「え、まじか・・・ん?んん!?!?」
なんで今、みことは俺の考えてる事わかったの!?エスパー!?!?
「エスパーじゃないよ。」
「!?!?!?!」
これは俺、田中ともひとと、企救丘みことの日常の物語・・・。