さようならストロベリーデイズ。こんにちはカラフルデイズ
作者の趣味丸出し小説です。
好きなことだけ書いていたい……
まるいちっ!さようならストロベリーデイズ。こんにちはカラフルデイズ
少女はVRのヘッドギアをかぶろうと手を伸ばしかけ、後頭部その存在を主張するポニーテールに気付いてその手を止める。
四月一日。今日は16歳の誕生日で、プレゼントに親からVRゲームのセット一式を買ってもらったのだ。
Colorful days online
通称CDO。それがゲームの名前であり、プレイヤーのプレイスタイルに合わせて自動的に職業が決まっていくというシステムが話題を呼んでいる。少女自身はあまりゲームというものに興味こそ無かったものの、幼馴染兼親友に誘われてせっかくだからと始めることにしたのだ。
奇しくも誕生日と発売日が同じであり、親友が買うことを決めたと聞いた発売の二ヶ月前から親と交渉していたのだ。
始めるのを決めたのには、他にも理由があった。
今日から16歳である少女は、当然のように昨日までは15歳だった訳だ。時折ストロベリーエイジと呼ばれるその年齢を、特に甘くもすっぱくも無く、強いて言えば高校の受験でちょっぴり苦いまま過ごしてきたのだ。
16歳の今日、今までやっていない何か特別なことを始めたいと思ったことが理由である。
16は、語呂あわせで『色』とも読める。しかもゲームのタイトルはColorful days online。なんとも都合のいい日に、都合のいいゲームが発売してくれたのだろう。
そう思いながら、ポニーテールを縛っていたゴムを取る。
長い黒髪が、ふわりと背中に広がった。
少女は改めてヘッドギアをかぶり、専用のVRシステムの中に体を沈める。
幾ばくも経たないうちに白い世界が眼前に広がり、目の前の何も無い空間に『Colorful days online』の文字が浮かび上がる。
そして聞こえる電子音声。
『アバターネームを入力してください』
これからの色とりどりになるであろう日々を想像し少女は期待を胸に秘め、浮かび上がったタッチパネルに指で触れた。
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