友達のひみつ
序章
俺、高校1年長谷川 青汰は、少しヤバイやつを友にもってしまった。
本人にもいろいろ事情はあるけど、クラスメイトにばれたらどうするわけだ、あいつは。
第1話
私立柳沢学園 偏差値70 進学最優先 有名大学進学者多数
「青汰、今日僕んちよってかない?」
高校から知り合った曽根崎れん。天然のうすい色素の髪に青い目でハーフ。よ
く女と間違われている。
背は167cm
「別にいいけど」
れんは微笑みながらいった。
「もう少し愛想よくしたほうが良いんじゃない。顔立ちは悪くないんだし、無愛想なところ直
したら
女子からもてると思うよ」
ほっとけ、心の中でつぶやいた。
れんと歩きながら帰るのは初めてだ。
周りには新しい住宅がならんでいる。
曽根崎はとうとつに俺のほうを向いた。
「ぼく、バイトやってるんだ。そこさ、ぼくの姉さんがボスっぽいものなんだ」
「姉貴がボスってすげーな、俺もバイトやろーかな・・・で、どんなバイト?」
こいつなら顔かわいーし、愛想いいしで上手くいってんだろーな。
「ホステス」
「ふーんホステスねえ・・・ってホステスぅ!!」
「女装しなくちゃいけないけど、けっこう楽しいよ」
俺は頭が真っ青になった。ホステスってあれだよな、ゲイバーではなくて女の、でもこいつ男
だし。
曽根崎はおれの袖口を軽くひっぱた。
「でも、別に女装の趣味があるっていうわけじゃないからね。ねえさんが経営してるから。
ほら、ぼくって、両親小さいときになくなったし、
私立の高校いってるしで、それになぜか大学も私立にしなさいって、姉さんが言ってて。」
「いやって、いや良いのに。」
「姉さんには迷惑かけっぱなしだったしね。こんな時ぐらい、お願いきいてあげたいから」
でも、ホステスで働かせる姉貴ってどうなんだろう。
俺だったら頑固としてことわるな。どんだけお願いされても。
「ぼくの家、行ったついでに今日泊まってく?」
「いや、泊まってもいいけどさ、おまえ夜は・・・」
さすがの俺もことばに出すのが恐ろしい。
「べつに良いよ、バイト、見てっても」
こいつ平気なのかな、そんな姿ダチにみせんの。
「はじめてなんだ。友達いえにいれるの。それに、青汰だったらそんなことで
冷やかさないだろうし。」
あいつはうれしそうに笑ってた。家にダチいれたことなかったんだ。まあ、そりゃ
そうだよな。そんなことやってたら。
ということで、おれは曽根崎んちへ行くことになった。まあ、これから行かなきゃ良かったっ
て後悔すんだけど。




