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蟷螂の斧

作者:秡井 泰弘
1980年──

第二次世界大戦に勝利した大日本帝國とナチス・ドイツは、世界を二分しながらも、互いに冷たい均衡を保ち続けていた。

だが、列島での核実験の失敗と暴動をきっかけに、帝國はこの地を“管理外地域”として切り捨てた。

首都は満洲へと移され、日本列島は国家の庇護を失い、地図の余白に追いやられる。
 法は失われ、国家は崩れ、通貨は腐り、銃だけが価値を持つ世界。

それでも、人々は生きていた。傭兵、難民、技術者、密輸屋、そして過去を持つ者たち。
誰もがこの崩れかけた島の上で、自分だけの居場所を探していた。
 旧・大宮の街は、かつて東京防衛の最前線──“防波堤”として築かれた都市インフラの名残を留め、今では数少ない“秩序”の拠点として機能している。門前衆と呼ばれる自警団が治安を維持し、傭兵たちはその陰で金と情報をやりとりしながら命を繋いでいた。
その街に、一人の男がいた。

名を、ダン・クロイ。
かつて帝國の特殊部隊に属し、いまはその過去を背負ったまま、金で仕事を請け負うだけの傭兵として、静かにこの地を生きていた。
そして、もう一人の訪問者。

サラ・ウィンターズ。

「元・海兵隊のフリー傭兵」と名乗る、素性の知れぬ女。
物語は、ここから始まる。
無法地帯の片隅で交わされた、一杯の酒と一つの契約から。
第一話 依頼
2025/07/28 19:43
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