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夜祭り

 モンシロ町では、年に一度だけ開かれる夜のお祭りがありました。街の中央広場には色とりどりのちょうちんが吊るされ、夜空を彩る花火の準備も整っています。


「わぁ……ケンちゃん、見て見て! ほら、ちょうちんが赤に緑にピンクに……まるで空がキャンディーになったみたい!」

ミミィはぴょんぴょん跳ねながら、嬉しそうにケンタの袖を引っ張りました。


「ほんとだ、すごいな……この町、こんなににぎやかだったんだな」

ケンタは目を細めながら、祭りの喧騒と温かい雰囲気を胸いっぱいに感じていました。


屋台からは、焼きもろこしの香ばしい匂いや、リンゴ飴の甘い香りが漂ってきます。


「ケンちゃん、リンゴ飴食べたい! 一緒に食べよっ」

ミミィは耳をふわっと揺らしながら笑いました。


「うん、いいね。じゃあ、俺が買ってくるよ」

ケンタはミミィに微笑み返すと、屋台の列に並びました。


リンゴ飴を手に戻ると、ミミィは射的屋台の前でわくわくした顔をしていました。


「ケンちゃん、これやってみたい! 私、あの白いぬいぐるみ、絶対に当てたいのっ!」

「よし、じゃあ俺もやってみる! どっちが多く倒せるか勝負だな!」


二人は童心に帰ったように、真剣な顔で的を狙い、時には笑い、時にはムキになりながら遊び続けました。


そして夜も深まり、いよいよ花火の時間が近づいてきました。ケンタとミミィは広場の階段に並んで腰を下ろしました。


「ねえケンちゃん、私、この町でケンちゃんと一緒にお祭りに来られて、本当にうれしい」

ミミィは手をそっと重ねてきました。


「僕もだよ。ミミィが隣にいるから、こんなに楽しいんだ」

ケンタの声は少し照れているようで、それでも真剣な響きがありました。


パンッ!――夜空に大きな花火が打ち上がり、二人の顔を赤や青に照らしました。


ミミィはケンタの肩に小さく寄りかかりながら、ぽつりと呟きました。


「……この時間、ずっと続けばいいのにな」


ケンタは黙って、ミミィの手をそっと握り返しました。


――ふたりの想いは、色とりどりの光とともに、夜空に優しく溶けていきました。

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