モンシロ町へ
ミミィとケンタの2人は公園を出てバタフライ道路を歩いています。辺りには蝶が飛んでいます。そうこのバタフライ通りには蝶の妖精が何匹もいると噂されているのです。
2人は黙って歩いていましたが、あれどうやら不思議なようです。お互いにあまり口を聞こうとしません。
「ケンちゃん、なんでさっきからこっちばっかりジロジロ見てくるのよ。」
「別に見てねえよ。それこそミミィの方こそそんな怒っているんだよ。ああ分かった?
もしかしてそうやって見られる事に対して本当は喜び感じてるんでしょ。そういうドM体質なんでしょう。いやだって僕が滑り台から突き落とした時だってちょっと嫌がりながらも内心喜んでたもんね。」
「何がドM体質よ。あんたね、まだ旅始めて1日も経ってないのに、人の事ドM体質とかいうとぶん殴るわよ。まあ良いわ。あんたは度胸がないんだから。」
「何??」
そういうとケンタとミミィは2人で見つめ合いお互いに睨み合いました。だがそんな喧嘩をする2人の方からか弱い女性の声が聞こえて来たのです。
「喧嘩はやめて下さい。ここは静かな蝶の花畑。私はモンシロチョウの妖精です。」
花畑の中にいたのは真っ黄色をしたモンシロチョウの妖精でした。その姿は見たケンタとミミィは感動したのです。
「妖精?へえ、初めて見た。」
「えー、可愛い。ごめんね。妖精さん、もしかしてお昼寝していたのに私が騒いじゃったから、邪魔をしてしまった?
妖精さん、お名前を教えて。」
「パラルターと言います。ほら見て下さい。こちらを、お花の妖精が歌っているでしょう。」
そう言ってパラルターは花の方に飛んで行くと指揮を振り始めました。すると花の妖精が喋り始めてるように口を開けて歌い始めました。そしてお花の妖精達は一斉にメロディーを奏で始めました。お花の妖精のメロディを聞き取れていると1人の花の妖精が言いました。
「あなた達、歌を歌っていないじゃない?歌を歌わないならそれは雑草よ。」
「そうよ、そうよ、雑草は、ここから出ていきなさい。
今すぐに」
「出て行け.」
花の妖精達の煽り文句が悪化していくとそれに対してケンタは怒りました。
「何が出ていけだよ。お前ら花のくせに、雑草ってなんだよ。酷い言い方だな。お前らの方が花の価値のない雑草だよ。ばーか。」
「そうよそうよ。失礼しちゃうわね。とっと行きましょう。」
ケンタとミミィは花の妖精達から煽られた事に対して腹が立ちながらも道路を歩いてゆくとパラルターが2人の前に飛んで来ました。ゆっくりと飛んで行くと2人にお辞儀をしたのです。
「本当に申し訳ございませんでした。あの花の精達は本当に性格が意地悪なのです。一緒に歌ってくれないとああやって文句ばかり酷いものです。」
「酷い花の妖精だね。君はいつもあんな連中の相手をしているんだね。でもありがとう。モンシロチョウの妖精に会えるなんてすごくラッキーな日だったよ。」
「妖精さん、またね。どこかで会えたら良いわね。」
妖精と挨拶を終えてずっと前に向かって歩いて行くとミミィが門を発見しました。門にはモンシロ町へようこそという看板があります。2人はモンシロ町に到着しました。