『寄生獣』/岩明均
「お前らみたいなヤツは、市役所に集めてバスの陰でブッコロ!!」
とか、学生の頃はよく言ってたモンですよ。ホントに。
ってコトで、第2回は月刊アフタヌーンにて、1990年~1995年まで連載の
『寄生獣』/岩明均(全10巻)
について、書かせていただければと存じます。
『寄生獣』が存在してなければ、この世に出ていない作品も多かったんではないかと、個人的には思っておる次第ダス!
連載当時から映像化の話はあったみたいですが、ハリウッドとのゴタゴタで2014年にアニメ、2015年に実写映画化されております。
残念ながら、どっちも観ておりませんが……
中学生の頃から、実写化される時はスクリーミング・マッド・ジョージが美術やるモンだとばかり思っておりましたが。
しかしまぁ、今のところ講談社の月刊誌連載作品率が100%ってぇのも、いささか偏っておるなと。
もはや説明不要ですが、人類に対して侵食を続ける謎の生命体と、寄生されつつも脳を乗っ取られなかった主人公との戦いを描いた物語でございます。
もうね、第1話の『ぱふぁ』からの『バツン』ね。当時中学生だったアタシは衝撃的でしたよ。
バトルシーンがグロいとか、画が上手いとか下手とか、そういうくだらない次元で話す作品じゃなくて、人間として、人類としての生き方を問うような作品なんすよね。
普段の生活をしてて、何か問題に直面した時に
『泉新一はもっと厳しい状況下で戦ってきたんだ!』
って考えるコトもあるぐらい、生きてゆくコトを教わった作品なのですよ。(ホントか?)
岩明均先生の作品て、その後の『七夕の国』とか『ヒストリエ』とかも好きなんすけど、みんな死に方がキツそうなんすよね。
『多重人格探偵サイコ』の原作者である大塚英志先生が、あとがきで言ってたような、死を記号として描いてないっていうか、ちゃんとその人とその人の周囲にとって、『事件』として存在するような、そんな最期を遂げるっていう。
最近の異世界転生モノとか『バクマン』(小畑健/大場つぐみ)の作中マンガ『シンジツの教室』パクってる学園パニックモノとか、簡単じゃないですか?人が死ぬってコトが。
アレどうなんすかね?って思っちゃうんすよ。ゲームじゃないんだから、簡単に死んで簡単に生き返って、何も無かったように物語が進んでいくヤツ。
その点『寄生獣』はAの時も島田の時も、ちゃんと被害者に対しての配慮があると思うんすけど……そんなコトないかしら?
ネタバレ回避したいんで詳しく書けないですが、母親の火傷の回想シーン(蔵馬 a.k.a『幽遊白書』/冨樫義博のエピソード参照)があってこそのアレですよ。
躊躇しますよ。そりゃ。(田村玲子の最期も然り)
ところで、『ネオ寄生獣』ってぇ『寄生獣』のトリビュート作品が出版されてるのはご存知でしょうか?
ホント愛情溢れる作品ばかりが掲載されてるんすけどね。
特に『ポーの一族』でお馴染みの萩尾望都先生は最高!
あと『アゴなしゲンとオレ』の平本アキラ先生はムチャクチャで素敵過ぎ♪
『寄生獣』は読んだけど、コッチは未読って方には、是非読んで頂きたいなと。
あ、トリビュートで思い出したんですが、岩明均先生は『デビルマン』のアンソロジーである『ネオデビルマン』第2巻に作品載せてるんすけど、コレがまたムチャクチャ良いんすよね。
本家のように悪魔悪魔してないんですが、精神的な恐怖感がハンパ無い感じ。
併せてご紹介させていただきやした。
と、どうにも昔から感想文的なモノが苦手だったんで、こんな感じにしか書けなくて申し訳ない……
いずれ書きますが、沙村弘明先生ほどじゃぁござんせんが、アタシが書いております『みそギ』ってぇ駄文にも、『寄生獣』のオマージュ(と呼べるかわかりませんが)を入れておりますので、お時間ある方は探してみてくださいませ。
ってコトで、今回はこの辺で失礼致します。お付き合いいただき有難うございました。