『BECK』/ハロルド作石
「ねぇ?ダイブリの新譜聴いた?」
なんつって、俺も女の子とフェスとか行きたかったなぁ……
っつーコトで一作目のテーマは、月刊少年マガジンにて1999年~2008年まで連載されておりました、
『BECK』/ハロルド作石(全34巻)
でございます。
何せこのマンガに出会ってなかったら、自分で小説書くなんて行動起こしてませんからね?アタシ。
まぁ何が悔しいって、連載当時はアタシもバンドマンとして(主に地下で)絶賛活動中だったんすけど、現役のバンドマン以上にバンドのコトをキッチリ世の中に発信してたっていうトコね。
個人的にハロルド作石先生の作品は、
『ゴリラーマン』
を小学生の頃から週刊ヤングマガジンにて拝読させていただいておりました。
当時のヤンマガって
『ビー・バップ・ハイスクール』/きうちかずひろ
『シャコタン☆ブギ』/楠みちはる
『工業哀歌バレーボーイズ』/村田ひろゆき
などに代表されるヤンキーマンガが全盛だったんすけど、プロレスやらハードロックバンドの小ネタ満載のゴリラーマンはセンス抜群でスゲェ好きだったなと。
んで、その後『サバンナのハイエナ』(続き期待してるんすけど)とか『バカイチ』とか『ストッパー毒島』を経ての『BECK』ですよ。
ご存じない方はほぼいらっしゃらないとは思いますが、平凡な中学生がギターにのめり込んでいくサクセスストーリーなんすけどね?
スポーツモノで言ったら
『スラムダンク』/井上雄彦
ぐらい衝撃的に面白いんで、アタシもその頃バンドで10年近くドラム叩いてなかったら、確実にギター始めてただろうなと。
しかもバンドをやり続けるにあたって、一番大変なのが人間関係なワケなんすけど、そこも上手いコト描いておるワケですよ。
もうね「わかる!わかるよぉ……」っつって、ガンガン感情移入して読んでたから。
残念ながら、アタシは同じ夢を見た仲間に恵まれなかった(っていうと元メンバーに申し訳ないけど)んで、今はひっそりと独りで読まれるコトの無い小説書いてるワケですが……
そんなコトより『BECK』って登場人物もキャラが立ってて素敵なんすよ!
アタシが一番好きなキャラはヴォーカルの千葉くんなんですが、まぁ苦労人だし努力家だけど、不器用だから葛藤がよぉ……ホント人間味のあるヤツなんすよ。
ヴォーカルって、個性を出しやすい"声"が武器なワケだけど、故障したって替えが利かない消耗品で、修理が出来なくて勝手が悪いって、かつてそんなようなコトをLADIESROOMってバンドの百太郎さんが言ってたような。
作中のBECKことモンゴリアン・チョップ・スクワッドってバンドが、当時アタシも大好きだった『Rage Against the Machine』とか『Red Hot Chili Peppers』とか『311』とか、日本国内だと『BACK DROP BOMB』なんかのミクスチャーっつーかクロスオーヴァー的なサウンドっぽく描かれてて、紙面から音が出ないのが残念だなと思いながら読んでおりましたよ。
ネット上では『smorgas』がモデルなんじゃねぇかとか、当時も様々な憶測が飛び交っておりましたが、ソコはハッキリさせないからイイんじゃないのさ。
アニメ放映時にはサウンドトラックもリリースされておりましたので、作中の楽曲を想像しつつ、平林一哉様(HUSKING BEE)の声を上手いコト脳内補正して、コユキの歌声を思い浮かべてお楽しみくださいませ。
あと、海外のライブハウスの表現がスゲェ良いんすよ。
アタシも海外ツアーの経験ある(っつってそんなに盛り上がらなかった)んだけど、ボーリング場の一角とかが会場のハコとかあったし、日本じゃ無名のバンドでも上手くて格好良かったりとか、ホントに自分が感じたコトとかそのまま描かれてるなと。
作品自体は知ってるけど未読って方もいらっしゃると思うので、あんまりネタバレしたくない、というかそんな方にこそ読んでいただきたいんですが、シリアスとギャグとラブコメのバランスが非常に良いです。
……って、こんなコトが言いたいワケじゃなかったんだけど、初回なので方向性が定まりません!
ちなみにアタシが一番好きなシーンは、コユキと千葉くんが二人で話してて、
「おれは・・・千葉くんのこと大好きだよ」
って言うトコで2万回ぐらい泣けます。
ご存じない方、BLじゃないので変な期待しないでください。アタシの伝え方も良くないですけど。
とにかく、ドラマチックで最高に面白いなぁ『BECK』って。
……でも、実写は残念だったみたいですね?
絶っっ対に観ないけど!!