第十八話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十八】
「そういや、今は何時だ……?」
意識を時間にもっていけば――思考リンク機能が働き、現在時刻がシステムから伝達されてきた。
――PM:10:00
「もうけっこういい時間だな」
まだ宿も取れてないし、そろそろファースの街へ帰るとするか。
「いや、その前に……念のため、回復ポーションを飲んでおこう」
どこに定数ダメージのトラップが仕込まれているかもわからないし、そうでなくとも俺はLUC(幸運)0――『不運なナニカ』に見舞われないよう、HP(体力)管理には神経を尖らせておくべきだ。
「ふぅ……っ」
ポーションをグビグビと飲んで体力全快。
熟睡中のガンコさんのもとへ向かい、彼女を肩に載せようかとした次の瞬間、<危機感知>スキルが反応。
「……っ」
すぐさまサイドステップを踏めば、目と鼻の先を灼熱の火球が通り過ぎた。
(今のは……魔法<火球>だな)
すぐさま背後を振り返るとそこには――綺麗な茶色の髪をたなびかせた美少女が立っていた。
月明かりに照らされたその姿は、このまますっぽりと額縁に収められそうなほどに美しい。
「――あなた、『プレイヤー』ね?」
彼女はジッとこちらを見つめながら、何やら意味深な問い掛けを口にした。
(……『プレイヤー』……? もしかしてこのアリアという人物は、夢の中のFBOをプレイしていたのか?)
俺は警戒を強めながら、こっそりと<鑑定>を発動し、謎の襲撃者の情報を素早く読み取っていく。
NAME:ルミア(F)
LV:???
JOB(職業):???
HP(体力):???
MP(魔力):???
STR(筋力):???
VIT(耐久):???
AGI(敏捷):???
DEX(器用):???
INT(知性):???
LUC(幸運):???
AP:???
■スキル
<???>
■魔法
<???>
名前と性別以外の全ての情報が、『???』で埋め尽くされている。
パーティメンバーではないプレイヤーの情報は、<鑑定>を使っても解析不可能。
このあたりの仕様は、夢の中のFBOと同じようだ。
※とても大事なおはなし
次回更新予定は9月26日(土)11:00!
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