第十六話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十六】
ユニークスキルは、世界でただ一人だけが所有を許された『超特殊なレアスキル』だ。
非常に強力な効果を持つ反面、その習得は極めて困難とされている。
(……倒したボスモンスターのユニークスキルを引き継ぐなんて機能、夢の中のFBOにはなかった……)
まぁなんにせよ、これは僥倖だ。
早速、詳しく調べてみることにしよう。
「――<鑑定>」
魔法を発動させ、<赤小鬼の統率者>の効果を解析していく。
<赤小鬼の統率者>:闇夜の豪鬼が使用するユニークスキル。四匹の赤小鬼を召喚し、その指揮権を得る。再使用彼のまでの時間――通称『クールタイム』は24時間。赤小鬼のHP(体力)が全損した場合、スキルの再使用により完全な同一個体が復活。その際、装備させていた武器や防具はロストしない。
「なるほど……。まぁ、『百聞は一見に如かず』だ。とりあえず、使ってみるか。――<赤小鬼の統率者>」
すると次の瞬間、
「ゲギャッ!」
「ギャギャ!」
「ギャギョッ」
「ギャーッ!」
茂みの中から、四匹の赤小鬼が飛び出した。
「うぉ、マジで出てきたな」
「「「「ゲギャッ!」」」」
四匹の赤小鬼は横一列に整列し、ピクリとも動かない。
どうやら、俺の指示を待っているようだ。
「え、えーっと……右手をあげてもらえるか?」
試しに簡単な指示を出してみれば、
「「「「ゲギャッ!」」」」
赤小鬼たちは一糸乱れぬ動きで、ババババッと右手をあげた。
「……やべぇな。このスキル、めちゃくちゃ便利だぞ……」
<赤小鬼の統率者>があれば、労働力が容易に確保できる。
(赤小鬼たちの知能が、どれくらいのものかにもよるが……)
戦闘の補助・素材の収集・敵地の偵察などなど、幅広い用途に応用可能。
さすがはユニークスキルというべきか、中々に壊れた性能をしているようだ。
「<赤小鬼の統率者>を十全に活用するためには、『固有の名前』が必要だな」
『群体』ではなく『個体』としての識別をしなければ、一つの命令に対して、全員が画一的な行動を取ってしまう。
先ほどの「右手をあげてくれ」という指示に対し、四匹が一斉に右手をあげたのがいい例だ。
これでは<赤小鬼の統率者>を使いこなしているとは言えない。
まぁ幸いにも、俺は『命名能力』に少しばかりの自信がある。
早速、右端から順に名付けていくとしよう。
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