第十五話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十五】
「しかし、なんかいろいろと消耗したな……」
実際に『命』を懸けた戦いというのは、肉体はもちろんのこと、精神的な疲労が凄まじい。
(それにしてもまさか、『ステージギミック』を活用するとは驚いた)
<天地激震>の回避方法に気付けたのは、ガンコさんのおかげだ。
寝ぼけ眼の彼女が、天に向かって吹いた<火炎の吐息>。
その小さな火柱が、噴き上がる水柱と重なり、間欠泉という仕掛けに気付けた。
「ガンコさん、さっきは助かった……よ?」
切り株の方へ目を向ければ――なんと彼女は鼻提灯を膨らませて、気持ちよさそうに眠っていた。
「ま、マジか……」
あれほどの轟音と振動を真横で感じながら、二度寝に入るとは……凄まじい胆力だ。
「ご褒美のお肉は、また明日にしような」
ガンコさんの艶のある岩肌を軽く撫ぜてから、豪鬼の残したドロップアイテムを回収していく。
・豪鬼の黒角
・豪鬼の剛皮×8
・豪鬼の骨×5
・豪鬼の牙×3
・豪鬼の黒毛×10
「おっ、豪鬼の黒角!」
この素材があれば、新たな武器『天黒の剛刃』が作成可能になる。
赤小鬼の連戦と今の豪鬼戦で、ブロンズソードがかなり傷んでいたため、正直これはめちゃくちゃデカい。
<属性付与・雷>は、斬れ味を強化できる優れた魔法だが、武器の耐久は変わらない。
実際に目を凝らしてみれば、ブロンズソードの刀身のところどころに刃こぼれが散見された。
「いやでも、よくここまで持ちこたえてくれたな」
今日のレベリングで大成功を収められたのは、ブロンズソードの頑張りが大きい。所謂『陰の立役者』というやつだ。
武器の根性に感謝しつつ、豪鬼のドロップアイテムをインベントリに詰め込んでいくと――突然、システムウィンドウが表示された。
――エリアボス:闇夜の豪鬼を討伐しました。
――称号:秘泉の支配者を獲得しました。
――ユニークスキル<赤小鬼の統率者>を発現しました。
エリアボスの討伐ログと称号の獲得ログ、そして――。
「ユニークスキルを……発現した……?」
※とても大事なおはなし
『面白いかも!』
『続きを読みたい!』
『陰ながら応援してるよ!』
と思われた方は、下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援していただけると嬉しいです!
今後も『毎日更新』を続ける『大きな励み』になりますので、どうか何卒よろしくお願いいたします……!
↓広告の下あたりに【☆☆☆☆☆】欄があります!