第十四話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十四】
「う、ぉ……ッ!?」
耳をつんざく轟音が鼓膜を打ち、とてつもない衝撃波が森中を駆け抜け――両足で立てないほどに地面が大きく揺れた。
(おいおい、なんて馬鹿げた威力だ……っ)
『大地の振動』のせいで、俺の体はピクリとも動かない。
一時的な行動不能状態『スタン』を食らってしまったのだ。
完全に足の止まった俺に対し、豪鬼は猛烈な勢いで向かってくる。
特殊行動<天地激震>とは、強烈な一撃目で大地を揺らして敵をスタン状態にした後、本命の二撃目を見舞うスキルのようだ。
「グゥオオオオオオオオ……ッ!」
STR(筋力)180から繰り出される、特殊行動補正ありの一撃。
俺の紙耐久では、絶対に耐えられない。
勝利を確信した豪鬼が、邪悪に微笑んだその瞬間、
「――悪いな、俺の『読み勝ち』だ!」
足元から、特大の間欠泉が噴き出した。
俺の体はカエル岩と一緒に大空を舞い、豪鬼の放った渾身の一撃は、むなしくも虚空を泳ぐ。
「グ、ォッ!?」
(よし、狙い通りだ!)
アルフの泉の地下空洞に溜まった熱エネルギー。
そこにあれだけの振動エネルギーが加わったら、そりゃ噴き出すだろう――特大の間欠泉が!
体の上昇が終わり、自由落下を始めたところで、ようやくスタン状態が解除された。
(イケる!)
俺は<属性付与・雷>で強化された、二本のブロンズソードを握り締める。
「食らえ――<剣撃連閃>ッ!」
落下エネルギー×クリティカルの五連撃。
「グゥオオオオオオオオ!?」
豪鬼のHPゲージは、凄まじい勢いで減少していき――ついにはゼロとなった。
「グゥ、オ……ガァ……ッ」
HP(体力)を全損した豪鬼は、ゆっくりと膝を突き、光る粒子となって消滅。
「ふぅー……強かったなぁ……っ」
なんとか無事に『闇夜の豪鬼』を討伐した俺は、ゆっくりと後ろに倒れ込み、満点の星空を見つめながら、とてつもない『充実感』と『達成感』を噛み締めるのだった。
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