第十三話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十三】
(よし、後もう一息だ……!)
このまま一気に攻め落とさん、と剣を握る手に力を込めたその瞬間、
「オ、ァ゛……オ゛ォオオオオオ゛オ゛オ゛オ゛……ッ!」
追い詰められた豪鬼は、けたたましい咆哮をあげ、頭上に掲げた金棒をグルグルグルと勢いよく振り回し始めた。
(なんだ、この妙な動きは……!?)
俺の知る限り、豪鬼にこんな行動パターンは存在しない。
「……まさか、特殊行動……!?」
夢の中のFBOじゃ、こいつは特殊行動を持たなかったはずだが……。
どうやらモンスターの行動についても、難易度調整の影響が及んでいるらしい。
「<鑑定>!」
特殊行動<天地激震>一撃目で『縺ゥ繧峨@縺ヲ縺?蠑』をし、二撃目の『繧る撼岼謖?繧ュ↑縺』をもって敵を完全に葬り去る。
(くそ、肝心なところが『文字化け』していやがる……っ)
強敵の特殊行動を<鑑定>で、完璧に読み取ることはできない。
それが可能なのは占い師や占星術師といった、<上位鑑定>・<完全鑑定>を習得できるごく一部の職業のみだ。
(だけど、断片的な情報からでも、豪鬼の動きは推測できる……!)
奴が特殊行動の兆候を見せてから、実行に移すまでの間がやけに長い。
おそらくこれは、「この時間を活用して、『なんらかの行動』を完了させろ」ということだ。
(豪鬼の体力を削り切る? ――無理だ。まだ奴のHPゲージは20%もある。ノックバックさせて、特殊行動の解除を狙う? ――駄目だ。失敗した場合は、こちらのHP(体力)が全損するし、そもそも特殊行動の多くはスーパーアーマー状態。一時撤退? ――現実的じゃない。俺と豪鬼のAGI(敏捷)は同値。しかも向こうには、特殊行動補正が掛かっているため、下手をすれば最悪の一手になってしまう)
頭を超高速で回転させ、必死に打開策を探していると――熟睡中のガンコさんが目を覚ました。
「ガ、コォ……ッ」
彼女はいまだ寝ぼけているのか、大きく首を伸ばして<火炎の吐息>をボォオオオオと吐き出す。
天に昇りゆくその火柱を見て――ピンと閃いた。
(こ、これだ……!)
俺は豪鬼に背を向け全力ダッシュ。
そのままの勢いで、アルフの泉中央に鎮座するカエル岩へ跳び乗った。
着地と同時、特殊行動<天地激震>が発動。
「グゥオオオオオオオオッ!」
豪鬼はその場で跳び上がり、文字通り『全体重』を載せた金棒の一撃を自身の足元へ放った。
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