第十二話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十二】
右の手のひらに宿った雷。
それをブロンズソードに流すことで、斬れ味を大幅に上昇させた。
「これでどうだ!」
体勢を立て直そうとする豪鬼へ、体重をしっかりと載せた二連撃を叩き込む。
「グ、ガァアアアア……!?」
「ぃよし……!」
今のはかなり効いたらしく、HPゲージが大きく減少した。
この減り具合は斬れ味の上昇効果もそうだが、『雷の追加ダメージ』も通っているのだろう。
それから先、俺は豪鬼との戦闘を優勢に進めていく。
(――よしよし。基本の攻撃パターンは、夢の中のFBOと一緒だ!)
金棒を使った振り下ろし・ぶん回し・下段薙ぎ払い。
バックステップからのショルダータックル。
モーションは大きいが、ガード不可の掴み攻撃。
事前知識がしっかりとあるため、どれも完璧に対応できた。
ちなみに、こちらの立ち回りは単純明快。
豪鬼の繰り出す『ぶん回し』や『投げ』といった、隙の大きな攻撃の後――確定反撃を叩き込むのだ。
そうしてジワリジワリとHPゲージを削っていくと――奴は突然大きく後ろへ跳び下がり、金棒を右方向へ大きく展開した。
この構えは……豪鬼の切り札<金剛無双>の予備動作だ。
俺はすぐさま重心を後ろへ置き、『回避』に全神経を集中させる。
するとその直後――<金剛無双>が発動。
「ルガァア゛ア゛ア゛ア゛……!」
豪鬼は右から左へ左から右へと金棒を振り回しながら、凄まじい勢いで突進してきた。
(おいおい、なんつう迫力だよ……っ)
圧倒的膂力にものを言わせたその攻撃は、まさに破壊の嵐。
俺は金棒の軌道を正確に見切りながら、バックステップとサイドステップを織り交ぜ、なんとか紙一重の回避を続けていく。
飛び散る石の礫と烈風による微小ダメージが地味に痛いが、これはそういうものだと割り切って食らう。
そもそもの話、ボスモンスターの切り札を無傷で凌げるとは思っていない。
(そんなことよりも、『最後の一撃』に集中だ……ッ)
その後、凄まじい連打を繰り出した豪鬼は――おもむろに金棒を両手で握り締め、それを天高く振り上げた。
<金剛無双>の最後の一撃は、前方超広範囲を射程とするガードブレイク。
防御不能のこの攻撃を回避する手段は、たった一つ!
(今だ……!)
豪鬼に向かって全力ダッシュした後、前方にローリング――奴の股下を潜り抜けた。
その直後、超強烈な振り下ろしが放たれ、とてつもない衝撃が大地を走る。
(……あんなのを食らったら、一瞬であの世逝きだな……っ)
背中に冷たいものを感じながらも、すぐさま攻撃へ転じる。
「ハァアアアア……ッ!」
「グォオオオオ……!?」
バックアタックによる確定クリティカル。
そこに斬れ味上昇効果+雷の追加ダメージも相まって、豪鬼のHPゲージがゴリゴリと削れていき――ついには20%を割り込んだ。
すみません。本来ならば午前11:00に出す予定だったのですが、すっかりと忘れておりました……。
明日以降は、これまで通り11:00更新となります。
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