第十話:フェイト・ブレイク・オンライン――起動【十】
「赤小鬼の経験値じゃ、もうほとんどレベルが上がらなくなってきたな……」
これではちょっと効率が悪い。
明日以降は、別の狩場へ移動した方がよさそうだ。
ちなみに……ガンコさんは、切り株の上ですやすやと眠っている。
トレヴァスの森・アルフの泉エリアでは、魔法などの特殊攻撃を仕掛けてくるモンスターはいない。
そのため、<物理ダメージ完全無効>スキルを持つ彼女は、この場において無敵の存在なのだ。
ただし……AGI(敏捷)が1のため、他のモンスターを捕食することは不可能。
この場におけるガンコさんは、生態系ピラミッドの枠外にちょこんと居座る『マスコットキャラ的存在』と言えるだろう。
「――さて、そろそろ五分経つかな?」
赤小鬼のリポップに備えて、ブロンズソードを引き抜いたまま待機していたのだが……。
「……あれ……?」
待てど暮らせど、赤小鬼が再出現する気配はない。
それから少しすると……森の深奥から、『ズシンズシン』という重量感に満ちた足音が聞こえてきた。
「おっ、ようやくおでましか」
足音の主は背の高い木々を乱暴に掻き分け、ようやくその姿を見せた。
「グゥオオオオ……!」
夜+トレヴァスの森・アルフの泉エリア+当日中の赤小鬼討伐数が100匹以上――この三つの条件を達成した場合にのみ出現するボスモンスター。
アルフの泉の主――『闇夜の豪鬼』、今日の『メインターゲット』だ。
背丈は二メートル五十ぐらいだろうか。
まさに筋骨隆々という言葉がしっくりと嵌る巌のような肉体。
得物として携えるは、二メートルほどの巨大な金棒。
背まで伸びた荒々しく逆巻く黒髪・右の額に生えた雄々しき漆黒の一本角・地獄の業火を想起させる赤黒い瞳――その鬼は『絶対的強者』としての風格を放っていた。
「――<鑑定>」
NAME:闇夜の豪鬼(M)
LV:25
JOB(職業):豪鬼
HP(体力):500
MP(魔力):50
STR(筋力):180
VIT(耐久):50
AGI(敏捷):75
DEX(器用):35
INT(知性):20
LUC(幸運):10
■スキル
<赤子鬼の統率者>
<金剛無双>
■魔法
■装備
右手:龍殺しの金棒
左手:
頭:
胴:黒曜の帯(VIT+3)
腰:
足:
装飾品:鬼の首飾り(STR+5)
さすがはボスモンスターというべきか、圧倒的な超高ステータスを誇っていた。
ただ……。
(いくらなんでも、これはちょっとやり過ぎじゃないか!?)
そもそもの大前提として、豪鬼というモンスターは、運営側から『強敵』として設定されているのだが……。
俺の記憶にある豪鬼は、ここまで『やばいステータス』をしていなかった。
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