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4話「刺客あらわる」

*1

 ジバの領域にある町「ジバ第一の町」。塔のような家が多く通称「塔の町」と言われている。

 住人は人や獣人が多い。でも、誰がヨミリの子供でそうじゃないのかわからないな。



「何を見ている?」


「どれがヨミリの子でそうじゃないの?」


「……目に見えているのは全部、あいつの子供だけだ」


「!?」



 え、どうしてわかるの? 全然見えないし……というか違いがわからない。

 獣人、人間、魚人とけっこういるのに違いがわからない?

 ただ、蝶々の羽根をした妖精がたくさん飛んでいるのはわかるけどあれも子供か?



「……違いは?」


「そうだな……考えてみたが」


「どうしたの?」


「オリジンしかわからねえわ。だって、オリジンだと誰が生命の守護者かわかるんだ」



 え、オリジンって誰が生命の守護者なのかわかるんだ。だから生命の守護者とか初見でわかる。

 さらに待ってよ。じゃあ、目にうつっている人たちは異能「無効化」を使える生命の守護者だらけってこと!



「じゃあ、みんな生命の守護者ってこと?」


「そういうことになる」



 生まれながら生命の守護者なのか……。



*2



 町を歩いていると店が見えてきた。名前はわからないけど店とわかる。



「ねえ、ガラガラ」


「どうした?」


「何か食べたい!」


「……そうだな昼食にちょうどいいか」



 ガラガラは私を店に案内した。中に入るとたくさんの客がいた。皆、それぞれ料理を食べている。しかし、誰もが野菜料理だ。



「やっぱりどこに行っても野菜料理しか無いのね」


「すまんな。肉、魚は無いんだ。あるにはあるがいろいろともめちまう。

 まあ、代用品としてキノコ、大豆を使っているからそれはそれでいいがな」



 けっこう考えているんだ。と言うかなんで肉を育てないんだろ。

 カウンターにいくと店員らしき人がいた。あれ、女性だ。赤い髪の人だ。



「いらっしゃいませ!」


「あ、あの……大豆のハンバーグをお願いします」


「ハンバーグですね!」



 私とガラガラは席に座り注文を待った。来たのは大豆のハンバーグを乗せた皿、小皿に野菜が少々、水がたっぷりはいったガラスコップ。健康的でいいかな。

 ちょうど箸があったので箸を使い食べることにした。

 ガラガラの方を見たらガラガラは何も注文していない。どうしたんだろう?



「注文しないの?」


「……いや、してある」




 してある? どんな?



「おまたせました!」



 店員が持ってきたのは皿にたくさん入ったレタスの山であった。



「なにそれ!?」


「俺はレタスが大好物でなたくさん食べないと気がすまないんだ」


「調味料は?」


「そんなもの外道よ! 生で食う!!」



 なんだろうこの残念なイケメン……。記憶を失っていたガラガラはこんなことじゃなかったのに……。



*3



 食べるのを食べてガラガラが料金を払って店を出た。さてと、次はどこに行こうかな?

 あまり、長いはしたくないし町の外へ行こう。

 私たちは人混みを通り町の外へと向かった。何者にも遭遇せず町から出ていった。よしこれでいいだろうと思っていたその時だった。



「あ、あの……」



 私たちに声をかける人がいる。私は振り向いた。



*4

「あ、すいません」



 私たちに声をかけたの黒いメイド服を着たメイドだった。



「なんで……」



 その時だった。ガラガラが異様な顔つきで私の前に出た。顔に汗が出ている。


「?」


「いえ、なんでもありません……」



 ガラガラはメイドに接しないよう逃げる素振りを見せた。



「そう、あせらないでくださいガラガラ様。よく間違えられることがありますし」



 メイドはそれでも私達に接しようとする。



「わ、悪いな俺は今日二人で行動したいんだ! じゃあな!!」


「そうですか……」



 瞬間だ。

 メイドが冷めきった目でガラガラを凝視した。

 私とガラガラはその場をすぐ離れた。


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