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3話「オリジンたちの会議」

*1

 ガラガラ、ユリカがオリジンワールドを一週間滞在したときだ。

 円卓に6人の人間と思われる者たちがいた。

 一方は赤い軍服を着た3人。一人は銀髪の老婆ジバ。ジバの右隣に固い顔をした軍人の軍太朗がいる。ジバの左隣に顔を全て覆い尽くす鉄仮面をかぶり黒い紳士服を来た男タバト。

 もう一方は青い軍服を着た3人。一人は黒く長い髪をした女性ウリア。ウリアの右隣に骸骨モルガバ。女性の左に笑顔の赤い髪に血だらけの少女ズブズブ。



「ジバ、集まったのはわかっているよね」



 ウリアが口を開けた。



「どうしてガラガラはここ一週間、私たちに連絡をよこさず他の地域を歩き回っているわけ?」



 そう、オリジンたちは気になっていたのだ。通常、帰ってきたのなら連絡を入れて集合するはずなのに来ないのだ。

 要件は様々だが長過ぎる。なにかおかしい。そこで、ここに集まったのだ。

 だからウリアはガラガラが何かしていると勘づいている。



「そうだね。アタシもガラの小僧が何をしでかしているのか知らないねえ」


「意外、把握しているのかと思ってた」


「しかたないさ。アタシたちは位置を把握する異能「探知」はあったとしても意思まで知らないよ」


「確かに……」



 異能「探知」は位置情報の把握が主目的で相手の心を把握することはできない。



「じゃあ、次はこの娘」



 ウリアは写真を見せた。そこに写っているのはガラガラと歩くユリカだった。



「ガラガラと一緒に歩いているな」


「そう。この娘の力を使ってこっちに帰ってきたんじゃないと思うよ。でも、問題はそこじゃない」


「……」


「なんでこの娘は帰らないのかについて」



 ここにいるオリジンたち誰も思っていることだ。もう仕事が終わっているなら帰ったほうがいいと。



「そうだねえ、アタシもわからないね。軍太朗はどう思うよ?」


「婆様、さすがに自分でもわかりません」


「なるほど……タバト」


「何か?」


「こいつは?」



 ジバは束とに写真を見せた。



「そうですね。容姿は悪くないと……」


「そっちじゃないよ」


「あ、すいません。心はわかりませんね」


「ということだよ」



 赤の軍勢の意見は皆、わからないとした。しかし、ウリアは違った。



「なるほど、じゃあ私から言うわね。

 調査したけどこの娘、ついこの間に滅ぼしたアルリ界のお姫様ユリカに一致しているとのことよ」


「……本当かい?」



 ジバは驚いた表情を見せた。


「ええ。一致率を確かめる異能使いに使わせたら合致したそうよ。

 正体がわかれば次は留まる理由ね」



 そうウリアはまだユリカがなぜオリジンワールドに離れないのか気になっている。



「こちらの考察だけど……この娘は復讐できているのかしら?」



 ウリアの考察は鋭い。確かにユリカはメノスを殺すために来た。間違ってはいない。


「それはないね」



 ジバは即否定した。



「確かに小娘の母親を殺したのはメノス様だ。しかし、メノス様に勝てるとは思えないね」



 会議室にいる誰もが思った意見だ。

 最強に分類される守護神メノスに勝てるものなど世界を見渡して見つけられるものではない。ましてや突然変異で異常な力を持った生物でもない者なら話にすらならない。



「まあ、そうだけどね。でも、復讐以外にとどまる理由なんてあるのかしら?

 もし復習だとしたらそうとうなマヌケね」



 ウリアは小さく笑った。メノスがどれだけ強いのかわかっているからだ。それ故にユリカの戦いはとても浅はかだととらえている。



「そこで、ジバ。私はこの愚か者に関して青の軍勢総出でかかろうと思うけどいいかしら?」


「なんで総出で行く必要があるんだい? 別にウリアだけですむだろ?」


「カンよ。ひょっとしたらメノス様に近づくのかなって? だから、不安の芽はすぐさま刈り取ったほうがいいでしょ?」



 確かにオリジンたちからはすればユリカは何しにいるのかよくわからない不安な存在だ。



「ねえ、ウリア」



 少女ズブズブがウリアに声をかける。



「どうしたのズブズブ」


「そいつ私の散弾銃で撃ち抜いていい?」


「ダメよ。いくら侵入者だからって残虐な殺し方はよしなさい」


「はーい」



 ズブズブはあまり乗れなかった。敵を徹底して倒すのが趣味であり倒せないのはどうにもできない。



「しかたないアタシたちでなんとかするよ」



 ジバが声を上げた。



「ほおやるっていうの」


「そうだね、徹底するよ」


「じゃあ、誰が行くの?」



 ウリアの質問にジバは答える。



「モリアかね」



 ウリアはそれを聞いて興味津々になった。



「いいわね、モリアならわかってくれそうだし」


「えー、モリアだったらつまんなーい! 軍太朗を行かしたら?」



 ズブズブンの意見を聞いた軍太朗はズブズブの顔を凝視した。



「ズブズブ、いくら自分が強いからといってやれるのは大規模破壊。ここでは戦いづらいのは事実」


「うーん、そうだけどね……」



 ズブズブは軍太郎の言葉を聞いて一歩引いた。



「で、モリアを当てるということでいいかしら?」



 ジバの出した提案にウリアが全員の賛否を求めた。結果……。



「賛成」


「賛成」


「賛成」


「賛成」


「賛成」



 全会一致で可決。これによりユリカたちにオリジンの一人モリアが来る。


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