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1話「オリジンワールドへ」

*0

 魔法少女は夢、希望を叶えることが可能な存在。それらをひとくくりにして“奇跡”を叶えることができる存在と呼称される。

 魔法少女たちは古来より奇跡を叶えてきた。 ある者は人々を導き聖人と賞賛され、ある者は戦争で多大な戦果をあげ英雄と讃えられる。

 しかし、裏においてある者は悪事の限りを尽くし悪魔と忌み嫌われ、ある者は悪党たちを率いてその姿は魔王と見られる。 奇跡と言えど使い方は人それぞれである。

 さて、今日の話しは「無謀な復讐を達成できる“奇跡”が起きるのか?」である。

 この物語の主人公は魔法少女であるが、親を神に殺された。その少女は果たして神に対して復讐を遂げるのか?

 よくて一矢報いることができるのか?

 さあ、物語の開幕です。



*1


 私の名前はユリカ。万能の魔法少女。

 白髪、赤目でかつては「ウサギちゃん」とあだ名されたけど今はもうそういう人がいなくなった。

 皆はもう死んだ。母さんもあいつに……!



「ついたな、ユリカ」


「……そうね、ガラガラ」



 黒髪、黒目の黒い紳士服を来た男「ガラガラ」が右隣にいる。

 今、視界に映るのは草原だ。立っている者は見当たらない。



「ここが、俺の神であるメノス様の住む世界「オリジンワールド」。メノス様の館からは遠くすぎるが歩けばなんとかなるだろう」



 そう、私の探しているものはガラガラを創造した神メノス。

 生命の守護者と呼ばれる世界に一人存在し生命を虐げる神、超常的存在に対抗するものたちの支配者にして原初神の一柱。

 原初神とは果ての神と呼ばれる世界で最初の生命体の子供のような存在。そしてメノスの役割は神々、超常的存在、多世界に影響を与える国家の取締。強力な無効化能力を持ち魔法、異能を無効化させ多くの悪人だらけの世界を制圧したとされる。

 母さんもこいつに殺された。

 それにこのオリジンワールドはメノスの他にガラガラのような特定の強さを持つ生命の守護者・オリジンが25体、2億体の生命の守護者に非生命の守護者が1億人といる。他に多数の機械兵、法則生物、魔法生物を合わせば10億はいると思われる。

 つまり、生命の守護者であるならば異能「無効化」を使い異能者、魔法使いに対して一方的な戦いを展開され間違いなく死ぬ。

 私はそんな中でメノスを探さないといけないのだ。

 何よりここは……。



「なあ、ユリカ」


「どうしたの?」


「空飛ぶか? メノス様に会うのはそうした方が早いぞ」


「……できないわよ。先から魔法を使おうにもできない」



 ガラガラはやはりと思わんばかりにため息をした。

 そう、オリジンワールドに入ると先から魔法が使えない。おそらくメノスの広範囲に渡る異能「無効化」だろう。生命の守護者やメノスが許可したものにしか魔法や異能は使えない。

 つまり、私はメノスにとって招かざる客その人である。



「まあ、しかたないな。ここの草原……」


「知っているの?」


「ああ。確かここは婆様の領域か。よかった、素通りできる」


「婆様?」「婆様は俺の所属する赤の軍団の副団長。心が広いし的確な判断をするから皆は「婆様」と呼んでいる」


「なるほどね」



 なんとか素通りできることができてよかった。



*2



 草原を歩いているけど小さい虫がいるぐらい。しかし、どうしてこんなに虫が多いだろう。

 鳥が飛んでいるかと思ったら虫を食べる鳥の形を虫。ネコと思われる動物も虫。

 まるで虫で動物を虫で代用している世界だ。



「ねえ、ガラガラ」


「どうした?」


「なんでこんなに虫が多いの?」


「普通じゃね」


「!?」



 いや、普通じゃないし。どう考えてもおかしいよ。だって、虫が多すぎて鳥とかみたいとかないの?



「あ」



 右足にカミキリムシがついた。つかんで遠くに投げようかな。よおし、右手に掴んで遠くに。



「おい」



 ガラガラが右手首を左手で掴んでいた。それも今にも怒りそうな形相で。



「な、なに?」


「つかんでいるのはなんだ?」


「カミキリムシだけど?」


「離せよ」


「え?」


「痛そうだから離せよ!!」



 すごい怒った。私は思わず右手を広げてカミキリムシを逃した。



「まったく……」


「どうして、そんなに怒るの?」


「家族だからだ」


「虫が家族?」


「……あまり異世界人に言えないわけがある」



 どうしたんだろう。なんか怒ったり冷静になったりと。



*3



 歩いていると整備された道を発見した。整備された道なら歩けると思いそこへ移った。

 ガラガラも気にせず移った。

 歩いていると「え?」と驚くものに遭遇した。

 道端に巨大なカブトムシが歩いている。それも上に人が乗っている。

 乗っているのは金髪の少年のようだ。

 カブトムシはこちらに歩いてきた。



「おや、ガラガラさ~ん!」



 子供が突然声を上げた。



「ん、何番目の子供だったかな?」


「僕ですよ。9000万3211番目の子供のアレックス・ヨミリ・レイコ・スダルです」


「ああ、確かそんな番号だったな。何せ2億もいるからわかんねえや!」



 2億? まさか生命の守護者ってみんなオリジンの子供なの?



「ここで何か?」


「ああ、助けてくれたやつに観光させてようと思ってな。で、お前は?」


「……いえ、配達です」


「ああ、そうか。がんばれよ!」


「はぁ……」



 アレックスは気落ちしたようにカブトムシに声をかけて「歩け」と言って歩かせた。



「ねえ、ガラガラ」


「どうした?」


「まさか、ガラガラに子供が……」


「いや、違う」




 え、違うの?



「俺の子供じゃないしそもそもオリジンは一人除いて子供がいない」


「え、子作りしているのは一人だけ?」


「ああ。確か空間皇帝ヨミリだ。

 ヨミリは9千万の妻たちは皆、ヨミリが助けた世界でヨミリにに惚れた女たちだ。

 言っとくけどやつの名誉に言うがタダのスケベじゃない! 女の方が寄って来たんだよ!」



 え、全然見えない。聞いているとやばい人にしか聞こえない。



「確か……あいつの第2番目の妻は1億2011万2231人ぐらい子供を作ったんだよな。頭いかれているだろあれ」


「1億2011万2231!? でも、ちょっと待って。それだったら、おばあさん……」


「いや、大丈夫だ。

 永住に来た連中は皆、メノス様に不老不死と永住の契約を結んでいるから大丈夫だ。

 あいつ確か10億年も生活しているんだよな。今でもヨミリを追いかけているからドン引きだぜ。

 あいつともう一人が外部から住みに来た最初の永住者なんだよな……」



 ここはそういう歴史があるんだ。外部から人が来ていろいろと育つこともあるし不思議な事もある。

 でも、目指さないといけない。メノスに刃を突きつけるまで。


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