表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

【 第二章 】 EP 2 Recoledy-Alt

【 EP 2 Recoledy-Alt 】


 【第二章】


「んで?オレはココで何をしたらイイんだ?」

「何も、しないでイイ…」

「「何も、しないでイイ」って…じゃァ、一体何をしに来たんだ?このオレは」

「並んでいく書物を眺めていて…」

「ほっ、本当にソレでイイのか?」

「イイ…」


 なっ、なんなんだ、その何というか…無味乾燥とした「味気の無い指示の内容」は…


「アナタが見守るコトで…地球のデータが上書きされていくから…」


 そういえば、ココは地球上で創られた、ありとあらゆる「文字記録」が保存されている場所とか何とか言っていたな


「本当にそんなんで、何ていうか、オレは役に立っているのか?」


 ソレに対し、無表情でコクリ、と、うなづくリナ

 どうやら、そういうコトらしいのだが、ただ「立ち尽くして待っている」と、いうのも何なので、せっかくだから、と、そこら辺に並んでいる「書物」の一つを手に取り、開いてみた……


 と、その途端のコトだった

 シュィィィイッィィイィィン…っ!


「ぐっ!ぐぁっ!?」


 正直、マジで自分が消し飛ぶ!?とか、なんかそんなようなコトを想ったオレがそこに居た、リナが「アナタは何もしないでイイ」と言っていたが、どうやら、そういうコトらしい…、さっき「書物」を手に取ってみたワケだがその「瞬間」の…、ぅ~ん、何ていうか「想い出したくない感じ」もしなくもないのではあるのだが、本気で頭や体のどっかが吹き飛ぶかと思った…


「「ブラストリカル・レコレディ・アルト」…、ココは、そうやってアナタのような「存在の力」で維持されている空間だから…」


 どうやら、コイツの言うコトは本当のコトらしい…

 オレに何か「トクベツな力」と、でも言おうか何やら、そんな「感覚のようなモノ」があるらしく、さっきは本当に…命を失い掛ける…?マジでそんな気分だった…


「さっきの…さっきのオレが、本を手に取った瞬間に起こったのは一体、なんだったんだ…っ?」

「アナタが、この空間にあるモノに直に触れたコトで、直接的にアナタを通して「地球」のあらゆる「データ」が送り込まれ…その「膨大な量」のせいで、脳内の血流がソレに追いつけず、アナタは意識昏倒いしきこんとうを起こし掛けた…」

「……」


 何処が「危険な場所」じゃ無いんってんダヨ、ソレの何処が……


「オマエ……」

「なに…」

「そんなに「アブネェ目」にうっていうんなら、最初になんかしら言っておいてくれよ…」

「だから…」

「なんだよ」

「アナタは何もしないでイイ、と…」


 あァ、もう今後は言われなくたって、そうするサ…、さっきはマジに「身体のどっかが消し飛ぶか」とか、そんなコトを想ったくらいだからな…


 どうやら、この「レコレディ・アルト」と、やらは、その「媒介ばいかい」を通して維持されている空間というような場所らしく、さっきのアレは、その媒介ばいかいに成っている、このオレが「不用意」に本に触れた為に送り込まれて来る「情報」が、オレの身体が耐えられる「許容量」を超え、身体が消し飛びそうに成った…と、いうような、なんかとにかく、そういうようなコトだと改めて理解した…


 ふぅ…マジで死ぬかと想ったゼ…


「って、コトはだ…」

「なに…」

「オレは本当にココで、何もせず、ただ「媒介ばいかいと成って、この「空間」を見守っていればイイと、そういうワケなんだな?」

「一応は…そう……」


 なんだ、その「一応は」っていうのは…、なんとなく「イヤな予感」がしなくも無かったが

さっきのような目にうのは、もうゴメンだからと、知って置くべきコトは出来るだけ先に聞いておきたいと想い、思い切って聞いてみた…


「「一応は」っていうのは…どういうコトなんだ…?」

「ココの「空間」はあくまで「地球部門の一部分」に過ぎない…」

「って、コトは他にもこんなような「場所」があるっていうコトなのか?」


 コクリ、と、うなづくリナ


「念のために、と、聞いておくが…あと、どれ位あるんだ?こんな感じの「空間」が…」

「97兆8971億」

「は、ハァ……?なっ、なんだってぇ?」

「ココは「ほんの一部」に過ぎない…」

「きゅ、97兆って……」


 一体、どんだけの「数字」なんだ…、なんていうか「億」以上の数字と成るとイマイチ、と、いうか、全然ピンと来ないオレが居る


「アナタのような「存在」は数が少ない…」

「ってコトは、保存し切れないデータなんかはどう成るんだ?」

「形を失った状態で暗黒の重量だけの存在に成って「宇宙空間」に散って存在していく…」

「そ、ソレってまさか」

「そう…地球では「ダークマター」と呼ばれている存在…」

「アレか…」


 正直、ア然とするしか無かった…、科学で解明出来ない「謎の存在」とかで何度か聞きかじったコトがある言葉ではあったが…、アレが「収まり切れないデータの成れの果て達」だったとは、全く想わなかった…


「「ダークマター」の比率が増えると宇宙のバランスに支障をきたす…」

「支障を、きたす…と…ど、どう成るんだ…?」

 恐る恐る聞いてみた…


「ワタシ達の銀河を中心に自らの重みで「崩壊した宇宙」と成って収縮したあと、別次元に吸収されて消滅する…」

「は、ハァ…?なっ、なんだってぇ?」


 コイツと喋っていると…何ていうか、頭がおかしく成りそうだ…

 何となく、そんなコトが頭の中で軽くよぎってしまっているオレが居た…


「だから…アナタのような「存在」が「宇宙のバランス」を取る為に必要不可欠…」

「は、ハァ……?」


 なんか、とんでもないコトに成っていないか?と、焦り、一瞬言葉を失いかけたワケだが…


「オ、オレの「存在」が宇宙のバランスを取るのに「欠かせない」っていうコトなのか…?」


 再び、無表情でコクリ、と、うなづくリナ


 マ、マジか…、「宇宙の命運」がこのオレの肩にのし掛かっているとでも、いうってのか…、一体、なんだっつぅんだ本当に…


「ほ、他にも…居るのか…?」

「?」

「いゃ、だから、オレの他にも、そういう「媒介ばいかい」に成っている「人間達」が居るのかって聞いているんだよ」

「居る…でも、最近では段々とその数が追いつかなく成って来ている…」

「って、コトは…、その「収まり切らないデータ」の比率が増えて…」

「最終的には、この「宇宙」自体が崩壊する…」

「……」


 なっ、何てこった…、今まで、全くそんなコトを知らずに平々凡々、過ごして来れたっていうのに…ある意味、聞かなきゃ良かった、と…、そんなようなコトを…つい想ってしまった……


「アナタのような「力」を持っている人が、ただ「生まれて来る」のを待っていても間に合わないと判断したワタシの「上層部」に当たる「ミーナフィリカの第1ヴィオーテ」ソコで、ワタシは生み出された…、と、いうより…造られて、そのような「存在」が数多くこの宇宙には送り込まれている…」

「は、ハァ……?」


 も、もうダメだ……、これ以上は、なんていうか、つっ、ついていけない…


「ちょっ!チョット待てっ」

「なに…」

「ハナシが突拍子も無さ過ぎてチョットついていけん、少し間をくれ…」


 本当の本音…ソレが今のオレの心からの「気持ち」だった


「ワカッタ…」

「だっ、だってよ、待ってくれよ、オレのような「存在」が居なくなると宇宙の情報が拡散して、最終的に「銀河を始め宇宙」が崩壊するだと…?一体、どうすりゃイイってんダヨ…」

「……」


 オレは一介いっかいの「高校生」でしか無かったハズだゾ…、なのに、なんでそんなオオゴトな「役目」を背負うコトに成っているって言うんだよ…、そんなコト、イキナリ言われてもよ…正直、とにかくハナシがデカ過ぎて、マジついていけん…


「大丈夫?」

「ふぅ…チョ、チョット…、とにかく、チョット待ってくれ……、オマエは何とも想わないのかよ、そんな「重要な責任」を背負っているっていうか、何ていうか、そんなようなコトのために、な、なんだって?造られたんダロ?オマエって?」


 黙ってうなづくリナ


「ダメだ…その辺りからもう完全に、頭がパンクしたような状態だよ、このオレは…、チョット、とにかくチョット一旦、整理させてくれ…」

「ワカッタ…」


 ふぅ…、え~~っと……、どっから「考え」ればイイんだ…?「ダークマター」が何とかかんとか…「文字記録」を収められないと…「宇宙が崩壊し消滅する」……、んで、オレの目の前に居るコイツは「ミーナ・なんとか」で造られた「人工的な存在」…ダメだ!ワカラン!


「いっぺんに説明し過ぎた?」

「あァ……、正直、チョットしんど過ぎるなんていうモンじゃないよ…、とりあえず、その、今、色んな97兆以上もあるっていう「データ」なんかを収めている「空間」での作業っていうのは間に合っているのか?まず、ソレを聞かせてくれ…」

「一応は…、上層部からワタシのような「存在」を、何人も送り込むコトでちゃんと間に合ってはいる状態…」

「って、コトは「宇宙が崩壊する」っていうのはまだ先のコトって想って、イイんだな?」

「そう…、だから…そんなに焦らないで…」


 ふぅ…とりあえずは、ひと安心といったトコロのようだ…


 が、ソレにしてもコイツ…、こんな「オオゴト」を淡々と話すと思ったら、人工的に造られた存在だったとは…、っていうか、なんていうか、今と成ってはそんなコトすら、どうでも良くなって来ちまったっていうような気分だ…


 ふぅ……、何はともあれ、とりあえずチョットしんど過ぎて一旦、頭の中を「リセット」したい気分だゼ…、と、そんなコトをアレコレと想ってはいたのだが…、どうしても「聞いて置きたいコト」があったので、ソレを恐る恐る聞いてみるコトにした…


「一つだけ、どうしても気に成っているコトがあるんだが」

「なに…」

「なんで、オレなんダヨ、そんな「超重大な責任」をこんな、平々凡々な「凡人」のこのオレがになっちまっているっていうんダヨ…」

「…………」


 な、なんだ?なんで黙っちまったんだ?また、何か「余計なコト」を聞いちまったのか?もうコレ以上、驚くような「説明」は勘弁だゾ…?


「ソレは…偶然としか…」

「ぐ、偶然?」

「そう…ちなみにアナタの場合は700万人に一人、くらいの存在……」

「なっ、700万人に一人くらいの……?」


 ソレが多いコトなのか少ないコトなのか正直、全然ワカラン……


「でも、実際にこうやって、ココに「導かれて来る人」は更にソコから、数パーセントの「一握りの人」っていうように成る……」

「……」


 ダメだ…やっぱり聞かなければ良かった…


 とにかく、なんだかワカラナイが…、オレが「超重要な責任」を負ってしまい、幸か不幸か、コイツと出会い導かれて来てしまって、今後「宇宙の命運」を背負っていくハメに成るっていうコトには…変わりは無いようだ……、やはり、改めて「聞かなきゃ良かった」と…そう、想った……


「でも、焦らないで…」

「焦らないでいられるかよ、こんな「重要なコト」を背負わされて…」


 少し微笑んで居るように見えるリナの表情


 いや、このタイミングで微笑まれてもよ…、などと想いつつも、とりあえず少しずつではあるが「落ち着き」を取り戻しつつあった、このオレ…、そう想うと、疑問というか、なんていうか「人工的な存在」というコイツが、具体的にナニモノなのか?と、いう点に「気に成る箇所」が移っていき「好奇心」のようなモノがチョットずつではあるが、沸いて来ていた…


「とりあえず…だ」

「ん…?」

「オマエみたいな「存在」は他にも居るっていうコトなのか?」

「そう…アタシだけではなくて「他の星」にもかなりたくさん…」


 「他の星」…、そういや、そんなコトも考えていなかった…


 文明のある星が、よくよく考えたら「地球」だけじゃないっていうのは、あってもフシギじゃないと言えば全然フシギじゃないワケだ…が、実際に、こうしてハッキリとソレを聞かされると、なんていうか驚かずには居られないっていう心境だ…


「「他の星は」ってコトは、オマエの言うその「ミーナ・フィリカ」っていうのは一体、何処にあるんだ?」

「この「宇宙を管理している別次元…」、ワタシ達の世界では「テイルアライト・スライトステイトと呼ばれている…」


 か…っ、ダメだ……またワケのワカラン「単語」が出て来た…


「べっ、別次元っていうのは、っていうか、ぅ~~ん、こっ、この「宇宙」を管理しているだって?」

「そぅ…」

「って、コトはその「テイルアラなんとか」ってぇのは、この「宇宙の外」にあるっていうのか?」

「そうではなくて、この「世界の中」にある…でも「次元が違う」から、外にあると言えば外にあるとも言えるのかもしれない…」


 ワカラン…もっ、ダメだ…完全にワカラン……、きょ、今日はもうヤメて置こう…コイツから「何か」を聴くっていうのを……


「疲れた…?」

「あァ…ドップリとな……」

「……とにかく、忘れないで…、アナタの「力」が必要なの…でないと…」

「ワカッタよ、この「宇宙が崩壊する」っていうんダロ」

「そぅ…ワカッテ…くれた…?」

「あァ…正直、「責任重大」過ぎて思い切りワカリたくはないっていう感じではあるけどな…?」

「そぅ…じゃァ今日は、コレぐらいにしてそろそろ戻りましょ…?」

「あァ…そうしてくれ……、もう何て言うか…完全に頭がパンクしちまった状態だよ、今……」

「……」


 そうして、いつものようにまたリナに手を握られ「現実世界」に帰ってきたオレ…


「お疲れさま…」

「あァ…マジで今日は何ていうか…、考えるコトがあり過ぎて、よく「眠れそうに無い」っていうコトだけは確かだっていうような気がしているよ…」


 正直、まだ「気に成る部分」が無くも無いのだが…コレ以上聞くのはヤメておいた…イイ加減しんどさが「度」を越えていたからな…


「とりあえずはまだ、すぐにこの「宇宙が崩壊する」っていう風には成らないから、心配しないで…」

「あァ…そう聴いて、少し安心したよ」

「そぅ…ソレと、アナタのような存在は一人じゃない…だから、そんなに…かかえ込まないで…」


 そう言って、また少し微笑んでいるかのような表情のリナ、だから、笑うトコかよ、ソレ本当に…そんなコトを想ったりはしたのだが…


「あァ…なんていうかその言葉、とりあえずは、ありがたく…受け取っておくよ…」

「そぅ…」


 そう言って、帰っていったリナ…


 ふぅ…色々と「とんでもないハナシ」があり過ぎて、ドッと疲れが来てはいたが、とりあえず、今オレの目の前に広がっているこの世界…、ソレが何ていうか、こんなにも「もろいバランス」で何とか維持されていた世界だったのか、と、いうコトに…何ていうか…フシギと、妙な「愛惜あいせきの情」みたいなモノを感じながらも…、抱え込むコトに成った余りの重責じゅうせきに対して戸惑いを隠せない…、そんな気分の…オレが居るというのが…


 今の…正直な、気持ちだった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ