神様だと称えられない神様
風の向くまま気の向くまま、旅をしながら今日存在するための信仰を稼ぐ神様、が俺様。飛行機の中で乗客の『落ちたくない願い』を食い漁ったが運の尽き、降り立った場所に奉られていたスナノオのカツアゲによって、俺様が存在するための信仰をほとんど奪われちまった。潤沢に信仰がある癖に意地汚い。これだから奉られている神は嫌いなんだ。俺様は力尽きて道路のど真ん中に倒れたのだが、偶然居合わせた少女のとある願いによって息を吹き返した。その願いは、世間知らずの俺様ですら馬鹿馬鹿しくてずっこけてしまった死者蘇生の願いだった。