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ビアンカがメイドを呼んで来てくれたのか
一度は断ったが一人ではドレスは脱げないのでありがたい
急いでドアを開けるとそこにはヒューゴが立っていた
「ひゅっ!ヒューゴ様」
「目が覚めて良かった、具合はどう?
何も食べてないと思って果物と飲み物を持ってきたんだ
そこのテーブルに置いていい?」
「あっありがとうございま・・・」
ヒューゴが返事を待たずに部屋に押し入り
果物が乗った銀のトレイをテーブルに置いた
怒ってるのか呆れてるのかわからないが
空気がピリピリしているのがわかる
「あの、お茶でも入れます?」
「いいよ、俺が果物向いてあげる、そこに座って」
メアリは言われるままに小さな応接セットに対面で座り
ナイフで林檎を手早く向くヒューゴを黙って見ていた。
「林檎むくのお上手ですね」
「そう?本当なら君が僕にご馳走して貰う予定だったんだけど」
綺麗に切られた林檎が乗った小皿が差し出された
「いただきます」といいメアリは林檎を口に入れた
ヒューゴはやはり怒っているようだ
「ごめんなさい、私も言われるままに連れてこられてしまって
何がなんだかで・・・」
彼は果汁で汚れた手を吹くと大きく息を吸い込んだ
「なんなのこの茶番劇、俺は君以外に興味ないし
なんで村長の娘なんかのエスコートなんてしなきゃならないんだ」
「うっ」
いきなり大きな声を出したので
メアリは林檎を喉に詰まらせそうになった
「それにそのアクセサリー安物すぎ、最悪」
「ハーディガン様の見立てだそうで」
「そのドレスもメアリに似合わない、おばさんくさい!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「誤ってばっかり」
「君は途中で倒れちゃうし」
「・・・うう」
「今ここで服脱いで」
「はぁ?」
「謝罪の気持ちがあるなら僕の前で脱いでほしい
一人では無理なら手伝ってあげるからおいで」
そういってメアリを抱き寄せ腰のリボンをするりと解いてしまった
「だめっやめて」
「男からのプレゼントされたドレス着て俺以外の人と歩くなんて
バカにしてるの?それとも煽ってるんだ」
「違う!」
腕を強い力で抑えられ片腕で
次々と後ろのフォックが外され
ネックレスも取られて床に投げられた
最後はコルセットも剥ぎ取られ
シュミーズ一枚の下着姿になってしまった。
メアリは恥ずかしさで涙が溢れた
「君が悪い」
そういってメアリ深い口付けをし
今度は歯を割って舌を絡ませてきた
メアリ自身も驚いたが
彼の舌に吸い付いてしまった
身体が勝手に反応し、蹂躙する舌に身が震えた
ずっと追い求めたものが手に入ったような感覚
私はこの人が好きなんだ
朦朧とする意識の中抱っこされベットに運ばれた
キスを沢山されてシミューズの肩紐を外され
二つのむくらみがあらわになった
「だめ!これ以上はダメなの!」
「ごめん、君が可愛すぎて、これはお仕置きだよ」
そういって首筋や胸に痛みのあるキスを数回した
「くっ」と痛みに耐えたが何度も繰り返す
まるで吸血鬼に血を吸われてるようだ。
ヒューゴの顔を見ると実は牙があって
吸血鬼なのではないかと
疑うほど美しかった。
「本当は最後までしたいけど君が大事だから」
そう言ってヒューゴはメアリから離れベットから降りた
「ヒューゴ様・・・」
急に離れしまったのが寂しく思いシーツで身体を覆った
「メアリ、君は僕の大事な人、どうか肌身放さず
この指輪を持っていて欲しい」
そう言って自分の指にはめていた
美しい赤い石が入った金の指輪を
メアリの薬指にはめた
メアリ小さな手にはブカブカだ
「やっぱり、大きいね
今度ちゃんとしたもの送るから今はこれで我慢して」
「こんな高価な指輪!大事なものでは無いんですか?」
「それは君を守るお守り、僕より君が持っているべきだ
どうか肌身離さず持っていてほしい」
「大切にお預かりします」
「君のこと大事にすると言って酷いことしてごめん
可愛いからいじめちゃった
ゆっくり休んで。」笑顔を作ってメアリの額にキスをした
そう言い残すと彼はそのまま部屋を出て行ってしまったが
メアリはそのまままた床に座り込んでしまった。