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部屋に戻ると何か軽い食事をベットに用意してもらうと
リリーが一旦退出した。
メアリはベットに横になると
なんだかスタンドカラーのドレスが
息苦しさを感じたので首元のフックを緩めた。
そういえば薬店の臨時休業の看板を出すのを
忘れていた。まさか男爵夫妻の屋敷に泊まることに
なるなんて思いもしなかったからだ
村の皆んなに迷惑かけてしまって申し訳ない。
手入れしていると薬草園の水やりも戻ってやらなきゃ
そう考えながらうつらうつらと眠ってしまった。
ギシ・・・
ベットのきしむ音で目がさめると
メアリの上に男が覆いかぶさっていた
誰!
完全に意識がハッキリすると目の前には
見慣れた男だ
「キャァッ!ハッハーディガン様何を!!」
「君のことが心配でね、可愛い寝顔の誘惑に
敵わなかったんだよ」
「おやめくださいませ!!」
キスをしようと顔を近づけるが顔を背けた
「連れないな、ずっと君を手に入れたくて我慢してたんだ
地位や名誉全てを手にできただろう、ここまでさせておいて
何も無いとは君も思ってはいないだろう」
「嫌です!嫌嫌!!地位や名誉なんて最初から要らなかったの
勝手に貴方達がしてた事!私は店が守れれば十分だったのに!
店に帰りたい!」
「誰か!助けて!」
「田舎娘が到底手にできない幸運を手に入れて何を言うか」
そう言いながらスカートの中に手を入れてくる
「たっ助けてヒューゴ・・・」
思わず口にしてしまった言葉にハーディガンは血の気が引いていた
「お前何を言っている・・・!」
そういうとドレスを胸元まで引き裂いた
メアリの首筋のあちこちに散らされた口付けの
跡を見てハーディガンは逆上した
「この売女め!処女だと思って丁寧に扱ってやったのに
とんだ誤算だ」
「あの役人の仕業か!探し出して殺してやる!」
「貴方こそ奥様がいる身でよく言うわ!恥ずかしくないの!」
ばんっ!と思いっきり頬を叩かれベットに倒れこんだ
無理やり足を割られて身動きを封じた
「口答えするな売女!私がみっちり躾けてやる」
もう駄目だ
このまま怒り狂うハーディガンの物になってしまう
ヒューゴに会うまではハーディガンとは自然の成り行きかと
思っていたが今は恐怖を感じていた
そう思った瞬間扉が開かれた
「メアリ様、体調がよろしくないので
ホットミルクをお持ちしましたわ」
リリーが銀盆を持って入ってきた
「あら旦那様いらしたんですね、大変失礼致しました
ここに置いておきますね」と扉の近くの
コンソールテーブルに置いた。
ハーディガンがリリーの行動に気がそれた瞬間
メアリはベットから逃げ出した
「メアリ!行くな!!お前の居場所は私の所しか無いのだ」
ハーディガンも追いかけようとするもリリーが絶妙な
位置にコンソールテーブルの上の銀盆をずらし
銀盆に身体が当たり見事にホットミルクが
ハーディガンの足にかかってしまった。
「きゃあああ!!旦那様大変です!すぐ服をぬがないと
火傷になります!さぁ急いでください!!」
「くそ!」
走り去るメアリの後ろで悔しがるハーディガンの声が響いた
部屋を飛び出した時、リリーが小さなメモを渡してくれていた
メモには裏口に回って下さいと書かれてた
行くと人影は居なく鍵も空いてすんなり
外に出られた。
まさかハーディガンの使用人の
リリーに助けられるとは思ってもみなかった。
ともかく家に帰ろう
裸足で飛び出して来たので足の裏が擦り切れてる
このドレス走りにくい
15分ほどで家が見えてくると家から煙が上がっていた
とても悪い予感がした
だが近づくにつれ予感が的中した。




