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異世界神話奇譚 〜白虎の王様〜  作者: 下弦の月
バルサ編
52/58

神子の力 (ルドガーの苦難)

お待たせしました!!


彩奈救出のルドガーと共に本編をお楽しみ下さい。

と、いう事でやってきました貴族街。


現在私はメイランさんと一緒にコランド家の玄関の前に来ています。


コランド家は見た目少し古い洋館。

階段を数段登った先に立派な玄関があり、両開きの扉には彫刻が彫ってあったりします。

外観は三階建てで柱は白く、って言うか全体的に白いです。

色のあるのは屋根と扉くらいなんじゃ?ってくらい白い。

太陽が当たってとってもキラキラしてます。


(まぶし・・。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルドガー視点


今日は朝からかなり忙しい。

彩奈救出から暫くたち、そろそろ神域へ行くと言い出した彩奈。


神域へ行く時は一緒にと言っていた私は、いつ彩奈がそう言い出してもいいように・・と準備をしていた。


だが、神子救出の為協力を頼んでいた各国から(主にオルライドとアルカーレンだが)彩奈を是非自国に招待したいとの文書が届いており、彩奈自身もヴィラハルド以外の国も見てみたいと望んでいた為、ここ最近ではどちらの国に先に行くのか・・と調整が進められていた。


だが、その事を知った他の国から次々と国へと招く招待状が届けられており、次はその断りを入れるのにルドガーは四苦八苦していた。


(ったく! 彩奈救出の願いを出した時、殆ど協力しなかったくせに何を今更!!)


実際、ルドガーは彩奈を救出する為各国に協力を願う文書を送っていた。


だが、それに返信してきたのは僅かに二国。

それがオルライドとアルカーレンだった。


オルライドはバルサで魔法が使われていた事に以前から調査を進めており、ルドガーとジークヴァルトが仲が良いせいもあり、二つ返事で協力を引き受けてくれた。


アルカーレンは、披露目の儀式で出会った彩奈に並々ならない関心を持っていた竜王コンラッドが是非にと言ってくれた。


(その時はまさか自分の甥がまさかバルサにいるとは思ってなかったようだが。)


実際、救出は難航した。


バルサまでの道を開くには神殿に申し入れ、そして王が行わなければならない。

それはルドガーとコンラッドの二人がいた為、難なく通る事ができると思っていたのだが、何故か神殿がそれを許可しなかった。


曰く、(緊急を要するものでないと許可がおりない)そうだ。


神子がヴィラハルドからいなくなった時点で緊急と呼べるもののはずなのだが、神子がこの世界からいなくなったわけではないので、緊急とはみなされなかったのである。


(この世界からいなくなった時にはもう遅いだろうが!!)


神殿からの回答にルドガーはかなりの憤りを覚えたが、神殿を頼れないとなると奥の手を使うしかなかった。


各国の王に一度だけ許される行為。


それは亜空間を使い別の国へと渡る行為。


勿論、敵対心をもってこれを使うことは許されない。


なので、彩奈を攫われ心を憎しみで覆われたルドガーには亜空間を開く事はできない。

できるのはただ一人竜王コンラッドのみである。


ジークヴァルトはオルライドの皇子だが、王ではないのでまだその資格がないのだ。


ルドガーは竜王に頼んで亜空間を開いてもらった。

そうすると竜王はもう亜空間を開く事ができないので、次に何かが竜の国であって亜空間を開く事を望んだ時にはルドガーがそれを行う事を約束した。

そして、彩奈を竜の国へ招く事も条件の一つとして約束させられた。


勿論彩奈本人の意思が尊重されるので、ヴィラハルドの国として口出しは一切しない。が条件にされている。


そして三人で亜空間に飛び込んだ時、またも異変がおきた。


それは何者かによってバルサという国が認識されないというものだった。


ヴィラハルドからバルサへの道を開くと何故か元のヴィラハルドへと戻ってしまうのだ。


そしてそれが魔術のせいだとわかるまで数時間を要した。

最初に通った時に違和感を感じたジークヴァルトが亜空間の道筋に妙な魔力を見つけていた。 その魔力を辿るため亜空間へと居続け、ジークヴァルトがドルーガを見つけてそれを拘束し、魔空間へと飛ばすのに時間がかかったのである。


魔空間、それは出口のない暗闇だ。

亜空間の先の魔空間からは誰も出る事ができない。

亜空間の道筋から落ちると普通元の場所へ戻る。

だが、そこに特別な魔力を通すと魔空間へと繋がる。


そしてそれはオルライドでも一部の人にしか出来ない技で勿論ジークヴァルトは出来た為、行ったのだ。


ドルーガの処置はジークヴァルトに一任されていた。


オルライドで悪事を働き追放され、今回の神子誘拐にも関わっており、その後もオルライドへと厄災を招き入れたその罪は大きい。

ジークヴァルトは死罪も当然と考えていたが、今回亜空間へと渡る事になりドルーガを魔空間へと落とす事にしたのだった。


ドルーガがいなくなり、バルサの道への認識阻害が無くなった為、改めてルドガー達三人はバルサへと渡った。


ルドガー達が着いたのは主宮近くの林。


主宮の周りは衛兵で囲まれており、主宮への侵入は困難を極めた。

悪いのは彩奈を攫ったオルテンであり、バルサの民に手出しをする事が出来なかったからである。


運よく竜王コンラッドがオルテンとの面会を申し入れ、それが叶いジークヴァルトの魔術によってジークヴァルトとルドガーの顔形を変え、コンラッドの部下となって主宮へと入る事が出来た。


それからは、彩奈の側にいるコンラッドの甥と連絡を取り、ようやく彩奈を助け出す事が出来たのだった。


そして、平穏な日々。


だが、せっかく彩奈と神域へ行こうとしていたこの日、竜王コンラッドの訪問により彩奈との神域行き(ルドガーは神域デートと思っている。)が無くなったのである。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ルドガーが悶々としながら竜王コンラッドと話し合いをしている中、彩奈はコランド家へと招き入れられていた。


「神子様! ようこそ当家へ!!」


そう言葉を発したのはコランド家当主グラース・コランドである。


「あの、サーシャに会いたいのですが・・」


早速当主に会った彩奈はここに来た目的を話す。


だが、彩奈の言葉にコランド家当主は首を横に振った。


「申し訳ありません。 娘に会う事はできません。」


当主によると、彩奈が攫われてすぐコランドの地下牢に入ったサーシャ。

食べることも寝ることもせず、一心不乱に彩奈の無事を祈り続け、流行病にかかり既に医者が諦めている程であるとの事だった。


「ですから、後は神に祈り穏やかにいかせてやることしか出来ないのです。 神子であるあなたに流行り病がうつっては大変です。 どうかこのままお引き取り下さい。」


彩奈が攫われた影響がこんな所にまで。そう思った彩奈はとにかくサーシャの部屋だけでも、とお願いして部屋の前だけと約束して行く事を許可された。


「サーシャ?」


部屋の扉の前で中に向かって話しかける彩奈。


「・・彩・・奈・・様?」


弱々しくもサーシャの声が聞こえてきた。


「彩・・奈・様。 来て・は・・い・・け・ませ・・ん。」


サーシャのその声に我慢出来なくなった彩奈。


扉に鍵がかかっていないのを確認すると、とってに手をかけその扉を開いた。


「!!彩奈様っ!!」

「神子様っっ!!」


後ろでメイランさんと、サーシャの父親の声がする。


「神子様! いけません!!」


サーシャの母親であろう人がサーシャの側から駆け寄ってきて彩奈をとめる。


「ダメだよ! サーシャ!!」


サーシャに向かい、大きな声で怒鳴る。


「サーシャが死んじゃったら私の友達がいなくなっちゃう! この世界でサーシャとセリーヌは私の大事な友達なんだから!!」


彩奈の声に涙を流し、それでもサーシャは彩奈に出て行くように懇願する。


「嬉・・しい・・です。彩・・奈様・・。 ・・で・すが、こ・・の・病・・気・は・・うつ・るも・・の。 ・・お・・願い・・し・ます。 ここ・・か・ら・・出・て下・・さい。」


「嫌っ!!」


サーシャの声に拒否を答え、サーシャの母親の手を振り切ってサーシャの側に走り寄り手を握る。


「お願い! こんな病気私が治してあげる!!」


そう言って彩奈は天井に向かい声を張り上げる。


「こんなのってない!! 神域に行った! 流行り病なんかもう収まってもいいはず!! そうでしょ!!」


その彩奈の声は天井ではなく、何処か遠い所へ届けとばかりに大きい。


「ねぇ! 聞こえてるでしょ!! もう流行り病は終わり!!」


彩奈がそう言った時、辺りが金色に光り始めた。


それはサーシャの体に降り注ぎ、その体を金色に染めていく。


そして、この現象はこの時流行り病にかかり、今にも死にゆく全ての人達にも起こっていた。



お読みいただきありがとうございます。

閑話的にいれたかった話を本編込みで掲載させてもらいました。

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