密談
「稀人は現在神域だそうです。」
「そうか。 ではそろそろ動くか・・。」
ここはヴィラハルドの王宮にある一室。
各国の王様やその側付きが滞在中の部屋がある区域である。
いくつかの国の王様はすでに帰国していたが、まだ滞在中の王様もいるのだ。
隣国オルライドは近くの為未だ滞在中だし、竜の王様コンラッド・ヴァイン・アルカーレンも久々に自国を出たとあってヴィラハルド国内を視察する為滞在中なのだ。
その他にも浮遊城リンドルンや鋼鉄の国ガトールドの王が滞在している。
そして、地下都市の主であるオルテン・シュナイ・バルサも側近であるソルダンと共に視察を理由に滞在を延ばしていた。
「稀人は神域に数刻いたのち、昼食の後厨房に行くそうです。」
ソルダンからの情報にオルテンは首を傾げる。
「厨房? 昼は自室で食事をとるのではないのか? 何故厨房になど。」
「それが、なんでも異世界の食事を作っているのだとか・・。」
「ふん! 異世界の住人はまるで庶民のようなことをするのだな。」
この世界の貴族と呼ばれる人は大抵が自分で働く事をしない。
食事を作る事も王宮で働いているとは言え、下働きはオルテンらの感覚で言えば庶民がする事なのだ。
「稀人と崇めたてられるとは言えやはり元は庶民か。 下層級の者が異世界から来ただけで我ら王族より上の立場になるとはつくづく腹立たしい事だ。」
「神に愛された者としてこちらの世界に来て神域で過ごすだけで気候の変動や大地の怒りが静まるのですからそれも仕方ないと言えばそうなのでしょうが、それで地上ばかりが恩恵を受けるのもどうかとも思いますね。」
オルテンの言葉に同意するように側近のソルダンも愚痴をこぼす。
今回現れた稀人も地上を選んだ為、一番被害の多い地下を都市とする者としてはこれ以上、地上と地下の富の差を開けるわけにはいかなかった。
すでにヴィラハルドにて披露目の儀式を行っている為、稀人はこの国が後ろ盾となってこれから異世界の技術を齎していく事になる。
そしてそれを阻止する為には、稀人が自分の意思でこの国を出て他国へ永住する事を神域にて宣言する他ないのだ。
「稀人が神域から出てから動くとするか。」
「はい。 既に準備は終えております。 後は稀人が一人になるのを待つだけです。」
地下都市バルサが地上の国より富を得るには、異世界の少女一人の犠牲などとるに足らない事だとオルテンは考えていた。
地下都市から始まったとされるこの世界が再び地上より地下を主として動いて行くそんな未来を頭に思い描きながらほくそ笑む。
「再び地下都市がこの世界の中心となる日も近い。 地上の虫けら共も我がバルサに跪くであろう!」
「オルテン様が世界の王となる時ももうすぐです!」
バルサの主がそんな密談をしているのを二つ離れた部屋で聞いている者がいた。
「やはりとんでもない事を考えていたな。 数代前の稀人ルクレチアが現れた霊山の国トルガードがどうなったのか知らない訳もあるまいに。 彼の国同様この世界からバルサの名が消える事になるぞ。 ・・これはオルライドにも協力を要請して地下都市の住民の安全を確保するかその前にバルサの主をどうにかするか、ヴィラハルドの王と話し合う必要があるな。」
その部屋に滞在している王はそう考えを纏めると足早に部屋を出てオルライドの王子がいる部屋へと向かった。
遅くなりました。
物語自体は出来ているんですが、小説にするにはなかなか難しいです。
言葉のボキャブラリーが貧困でなかなか進みません。
読んでいただきありがとうございます!




