神域の意味
遅くなりました。
ケータイ投稿なのですが、ケータイが水没してしまってなかなか投稿できませんでした(・・;)
(はぁ? ってことはあれですか? 私はただカルナックの実験に付き合わされたってこと!?)
ルドガーによれば、カルナックは神域に神に愛された者が入った時、この神域に変化が訪れるのかどうか知りたかったようだ。
この神域の中に入った事のある王族・神官全てが神域の広さに興味を惹かれ確認するべく歩いたそうだ。
だが、どの人も確かにかなりの距離を歩いた感覚があるのに、何故か数分も経っていないという現象がおきていた。
そして、それはどの神域でも同じだという。
この世界はそんなに広いわけではない。 なのに、神域は交わることがなく存在し続ける。 それはこの世界に住む者だけなのだろうか?
神に愛された者はこの神域の捉え方が自分達とは違うのではないか?
そんな疑問がいつしか神官の中に芽生えた。
だが、それを調べようにも稀人は現れる事は無かった。この時まで。
そして、彩奈が現れた。
神官達の間で語られて来た事をついに調べることが出来る。
こうして神域に来たこの日、カルナックは行動をおこした。
神に愛された者が神域を歩いたらどうなるのか、自分達と同じように神域の感覚がズレて感じるのか・・
それとも?
もしかしたら何か起こるのかも知れない・・と。
結果、彩奈はこの神域でこの世界の人と何ら変わりなく感覚を惑わされてしまった。
(やはり私達と変わりはありませんか。 神に愛された者なら何か変化が起きるかと思っていたのですが。)
(そんな変化など起きるわけがないだろう? 稀人はただこの神域に在れば良い、そう今までの書にもあっただろうが。 何か変化が起きるのなら書にも記されてるはずだろう。)
カルナックのため息と共に出た言葉にルドガーが呆れたように話す。
(それでも試して見たかったんです。それで変化が起きれば後々の書に書き残せるじゃないですか。)
(書き残したいのはお偉方の一部だろ? 発見があったらそれを提案した奴の名が後世にまで残る。 所詮名を残す為の陳腐な考えだ。)
・・・と、言う事は何ですか?
その一部の人たちの欲望の為、私は試されていたと?
そしてカルナックはその片棒を担ぐ一味って事?
あ・・何だかちょっとだけムカっときた。
ルドガーとカルナックのやりとりを聞いていて少しだけムカムカした気分になる。
そんな気分のまま二人を見ていると、何故か急に空が曇ってきていた。
あんなに綺麗だったのに、今はどんよりとした雲が段々と増えていった。
(あ? おかしいな・・神域の空が暗くなっている。)
(?・・本当ですね。 これは・・)
空が変わって行くのを見て、ルドガーとカルナックが何かを考えるように頭を傾ける。
すると、カルナックが思いついたかのようにこちらを向いた。
(これは・・もしかして彩奈さん?)
(は? 彩奈がどうした?)
それを見たルドガーも私の方を見る。
(彩奈さん、今どんな事を思ってます?)
カルナックの問いに、ムカムカした気分のまま答える。
(どんなって? 普通にかなり気分が悪いです! 試されたとか聞かされていい気分なわけないと思います!!)
(それです!!)
(!?)
それってどれ?
カルナックが何を言いたいのかがわからない。
ルドガーも訳がわからないと言うふうにこちらを見てくる。
(つまり、この神域は稀人の気分によって変わるということです! 稀人が普通もしくは気分が良ければ神域の天候も良く、その気分が下降すればこのように空も翳って行くんです。 やはり神域と稀人は繋がっているんですねぇ。)
カルナックの言葉にルドガーと私は顔を見合わせる。
確かに試されていたと聞かされた時にかなり気分が悪くなった。
〔そう言えばその頃から? 雲が暗くなってきたのは。〕
神に愛された者とか言われているが、神様に会ったことなんか無い。
元の世界でも、神社に合格祈願とかはしていても普段は神様なんているとは思ってもいない。
こちらの世界に来ても、そんな自覚もない。
ないのだが、けれどこの神域だけは別だ。 この神域にいるととても気分がいい。 ずっとここにいたいとさえ思ってしまうくらいには。
だからなのだろう。
この世界に来て神に愛された者と言われて、ここへ来るまでは違和感があったのだが、その違和感はすでに無くなっている。
この神域へ来た途端に、そう呼ばれるのが当たり前のように感じてしまっているのだ。
(そう・・なのかも知れません。)
カルナックの言葉に納得してしまった。
本当にストンといったように〔あぁそうなんだ。〕と思ってしまっていたのだ。
(やはり、神域と稀人は切っても切れない関係にあるんですねぇ。 一日に一度ここで過ごす事を定められたのは意味のある事なんですよ。)
(まぁ、一つ神域の謎が解けたって感じか。 )
一日に一度ははっきり言ってちょっとめんどくさいなんて少し思っていた。
だけど、カルナックの言葉を聞いて私がここへ来る事が意味のある事だと知った今は、この世界来た私が出来る事を私なりに頑張ろうと改めて思った。
(さて、そろそろ王宮へ帰ろうか。 昼食の時間だ。 メイランも待ってるだろうし。)
ルドガーがそう言うと、大きな木へ向かって歩き出す。
私とカルナックも頷き、ルドガーの後を追った。




