一日の終わり。
「メイランさんただいまぁ!」
そう言って扉を開けた私にメイランさんはかなり驚いていた。
「まぁ! パーティーはまだ終わってませんのに!」
「だって、退屈だったんだもの。 挨拶も終わったし、雑談ばっかだったので帰ってきちゃいました。」
舌をペロッと出して帰ってきたわけを話す。
「そうですねぇ。すでにパーティーじゃなくなってましたし。」
サーシャがお茶を用意しながらそう言うと、
「あれはパーティーじゃなくて・・酔っ払い集団?」
セリーヌは私に椅子を進めて、笑いながらそう話す。
私達のトークにメイランさんも「仕方がないですねぇ」と苦笑している。
滅多に行われないパーティーの為、いざそれが行われると挨拶が終わった後は国同士の意見交換やお見合い的な雑談に移行するらしい。 今回は稀人である私のお披露目があった為、普段集まらない各国の王様やこの国の貴族がこぞって集まる為、婚姻を望んでいる親達はこの時とばかり張り切るようだ。
もしかしたら他国の王族と知り合いになり婚姻を結ぶ可能性もあるし、子爵や男爵の娘などは高位の貴族である侯爵や公爵の後継との婚姻の可能性もあるからだ。
サーシャやセリーヌは稀人である私の側にいる為、高位の貴族との繋がりをもてるかもしれないという親の思惑があったらしく、パーティー会場ではかなりな目にあったようだ。
「彩奈様がお早目に会場を出てくださって助かりました。」
「そうです! あのままあそこにいたら明日には婚約が決まってたかも! そうなる前に退避できたので、彩奈様には感謝!です。」
サーシャとセリーヌは疲れたように話しているので明日には婚約が決まってた・・というのが大げさではない話しなのだろう事が伺える。
「貴方達も大変なんだね・・」
貴族というものの実態がわかってない私にはサーシャとセリーヌの大変さはわからないだろうとは思う。 だけど、稀人なんて言われてこの世界に転生した私があまり苦労なく過ごせているのはメイランさんやサーシャとセリーヌが私の動きやすいようにしてくれているのだ。 だからサーシャとセリーヌにはまだまだ私の側で助けてもらいたい事がたくさんある。
「みんなにはまだまだ私の側にいてもらわないと。」
サーシャの入れてくれたお茶を飲みながらそういってみんなを見る。
「もちろん。私はまだまだ彩奈様のお側におりますとも。」
そう言って笑うメイランさん。
「私はまだお側にあがったばかりなので、こちらを辞める事など考えた事もありません。」
サーシャはお茶のポットを持って彼女には珍しく微かな笑顔でこちらを見ている。
「私はまだまだ彩奈様のお側から離れませんよ! 」
そう元気な声で話すのはセリーヌ。 彼女は笑顔いっぱいで私達を楽しませてくれる。
明日からは聖域にいったり、マナーの勉強をしたりと忙しい日々が待っている。
食堂の事も考えなくてはいけないし、やる事がたくさんある。 けど、みんながいてくれたらこれからも頑張れると思っている。
「明日から色々やらないと。 でも今日は疲れたので早目に休みますね。」
パーティーではあまり食べられなかったので部屋に帰ったら何かをお願いしようと思っていたのだが、それよりも眠気の方が強かった。
サーシャとセリーヌに手伝ってもらいドレスを脱ぐと、早速欠伸がでてきたのでメイランさんに断って少し早いがベッドで眠ることにした。




