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異世界神話奇譚 〜白虎の王様〜  作者: 下弦の月
活動開始
30/58

披露目の儀式 〜王宮〜 3



妖精国フィルトゥーレの国王と国王妃の挨拶を皮切りに、次々と各国の代表が挨拶に訪れる。


魔法都市を首都に持つオルライド、浮遊城リンドルン、地下都市バルサなどメイランさんに聞いた国の他に、竜の国アルカーレン、鋼鉄の国ガトールド、人族が住むエルドラド、大地の民が治めるロイズ、巨人の住むバントールと、全ての国の王様がここに集まり、次々と挨拶をしていった。


特に隣国オルライドの王様は魔法を知らない私に色々と魔法を見せてくれたり、その第一王子であるジークヴァルト・マナ・オルライドと名乗った人はルドガー共仲が良いらしく、とても親密に話しかけてくれた。


竜の王様は人型で挨拶に来たけど、普段は竜の姿らしくバルコニーでその姿を見せてくれ、私を気に入ったと言ってくれ是非一度竜の国へーーと誘ってくれた。


巨人の国の王様はこの広間に収まる身体ではないらしく、オルライドの王様の協力で普通の大きさで挨拶に来ていた。(それでも5m近くはあったが。)


そうやってとても気さくな王様達が挨拶と同時に話しかけてくれていて、私も儀式なのにとても楽しく過ごしていた。


ただ、地下都市バルサからの王様だけはなんとなく雰囲気が違っていた。


「地下都市バルサの王、オルテン・シュナイ・バルサでございます。 この度のお渡りをとても嬉しく思います。」


挨拶は普通だったのだが、その目つきは何だか暗く濁ったように感じた。


そして、挨拶が済んだ後はそのまま立食形式のパーティーへと移行し、私もルドガーと一緒に座っていた椅子から降り、食事が出来るスペースへと移動した。


そこでもやっぱり各王様にルドガーと共に捕まり食事をしながら歓談することになった。


「獣人国は安泰だなぁルドガー!」


そう声をかけてきたのは挨拶の時にもルドガーと親しそうに話していたオルライドの王子ジークヴァルトだった。


「以前はジークの国だったな。 あれからかなり国が潤ったと聞くが?」


「そうだな。 “きく”のおかげで貧乏だったオルライドもかなり裕福になったそうだ。 しかも神官が稀人たる“きく”と恋仲になり、うちの先祖が振られたのが国中に広まったおかげで親しみ感がもたれて、今じゃ王子が道を歩いていても普通に声をかけられるぞ!」


笑いながらオルライドの様子を語るジークヴァルトにルドガーも「そういえばオルライドでは普通に街を歩いていたな」と楽しそうにしている。


「稀人様、彩奈さんだっけ? 暇が出来たらオルライドにも来て欲しいなぁ! 隣国だから馬でも来れるし、竜なら一刻とかからないから!」


そう言って笑顔でオルライドへ誘うジークヴァルトは金の髪に緑の瞳で、本当に王子様って感じの人だ。 なのに、その話し方は友達に対するようにとても気さくなのだ。


「はい! まだ少し忙しいみたいなので、落ちついたら色々と国を見てみたいです。」


ジークヴァルトと話していると、竜の国の王様も

「その時は是非うちにも来てもらいたいな。 私が案内してあげよう。」


そう言って穏やかな声で話しかけてくる。


竜の王様はコンラッド・ヴァイン・アルカーレンと言って年齢は230才らしい。 でもその見た目は20代で、最近王位を継承したばかりらしい。 でも、竜の中で一番大きくその力も一族の中で一番だそうだ。


挨拶した時から何故かこの王様に気に入られている私は、ことあるごとに竜の国への来訪を進められている。 そして、王様が言うには私は竜に好かれる気を持っているらしく、恐らくはこの国で飼われている竜にも一人で騎乗できるくらいなんだそうだ。


そうやって、ジークヴァルトや竜の王様と楽しく会話していると、挨拶の時にも感じた嫌な気配と同時に目つきの暗いバルサの王様がやってきた。


「これはこれは、稀人様を交えて楽しそうですなぁ。」


そう言って少し酔ったように話しかけてくる、バルサの王様。


「これは、オルテン・シュナイ・バルサ殿。 楽しんでいただけてますか?」


そのバルサの王様ににこやかに話しかけるルドガー。 だけど、ルドガーが話しかけているのを無視するかのように一人で喋り始めた。


「しかし、良いですなぁ地上は。 食べ物も豊富。緑は豊かだし稀人が伝える便利な物も行き渡っている。 我々地下で暮らす人々にはない物ばかりで羨ましい。 だからですかな? 稀人が地上ばかりを選ぶのは。」


嫌味にも聞こえるバルサの王様の言葉に、その場にいた人達が顔を見合わせた。


「一体何をおっしゃりたいのですかな?」


竜の王様がバルサの王様に問いかける。


「いや別に? 稀人が地上ばかりを選ぶのはどうしてか気になりましてなぁ。 やはり豊富な資源が決めてになるのか・・と思いまして。」


「稀人が選ぶわけではない。 降り立つ場所を決めてこちらに来ているわけでもない。 今回も彩奈がこの国へ来ると決めて来ているわけではない。」


ルドガーの言うように、私がここに来たのは偶然だ。 気がついたらルドガーが王様を務めるヴィラハルドに居ただけなのだ。


「ああ!そうですな。 いや少し飲みすぎているようだ。 私はこれで失礼させてもらおう。」


そう言ってバルサの王様は広間を出ていく。


その出て行く後ろ姿を見て、竜の王様がルドガーへと話しかける。


「バルサには気をつけた方が良い。 あの王の気はとても濁っているゆえ、何か事を仕出かすやも知れぬ。」


竜の王様の言葉にルドガーとジークヴァルトが頷く。


「気をつけておこう。」

「オルライドも協力は惜しまないよ。」



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