反省
「稀人様ぁ〜。あれ?名前なんだっけ? ・・ああ!そうだ!彩奈様だっけ。」
メイランさんとルドガーとマイクスさん三人が必死になって扉を開けようとしているだろう時に、のんびりしたウェインの声が聞こえてきた。
「えっと、扉が開かないらしくってルドガーに呼び出されたんだけど・・いいよね?この扉破っちゃっても。」
相変わらずぼんやり窓の外を見つめる私。
ウェインの言ってる事は聞こえてきていても、頭には入ってこない。
(扉? ここの扉は特注って言ってたから開きませんよぉ。)
以前ルドガーに、〔ここの扉は特注で作ってあるから扉を破る事は出来ません〕って聞いたことがある。
どんな力をもってしても開く事は出来ない堅固な扉にしてあるそうだ。
鍵自体にも呪がかけられており、この部屋の主である私が許可しない限り鍵を開ける事も出来ない。
そんな扉の向こう側でウェインが「壊してもいいかなぁ? いいよね?」なんて言ってるのが聞こえた。
その直後。
ドガーーーーーーーーーン!!!
大きな音と共に扉が壊された。
そのあまりの音の大きさに驚いて身体がビクン!となったかと思うと、急激に意識がクリアになっていく。 そしてそれと同時に今まで緩慢だった身体も普通に戻ったかのように感覚が戻ってきていた。
「彩奈様っ」
「彩奈っ!」
「彩奈様。大丈夫でございますか?」
「ごめぇん、やり過ぎた!」
扉が壊れるのと同時にルドガー達三人が転がるようにして寝室へ入ってきた。 そして、その後ろをウェインが飄々とした様子でついてきていた。
「この扉ってかなり頑丈なんじゃ?」
あまりにも呆気なく壊れた扉を見てルドガーの方を向くと、私を見て安心したような顔をしたルドガーと目が合った。
「すまん。非常事態だったので、扉を壊してしまった。」
ルドガーがそう言って謝ると、
「やっぱ普通のよりは固かったわ〜。 さすが特注!!」
ウェインが感心したかのように扉の残骸を見た。
「本来なら壊すことの出来ないよう特注で作らせた扉だが、唯一ウェインだけが壊せる。 何しろこの国一の馬鹿力の持ち主だからな。 本当はこんなやり方をしたくは無かったが、時間も無いので手荒になってしまった。 」
ルドガーのその言葉にメイランさんが
「申し訳ありません。 何度かお声を掛けさせていただきましたがお返事が無かったので、何かあったのかとルドガー様にお知らせしたのです。」
そう言って頭を下げた。
「謝らないで下さい。 私が起きていたのに出ていかなかったせいなんです! あれから 結局眠れなくてそのせいか身体がいう事をきかなくて・・。 メイランさんが頭を下げることはないんです。」
起きていたのに出ていかなかったせいで皆に心配させてしまっている。
儀式についての勉強が昨日までかかったのは私のせいなのだ。
メイランさんに儀式がある事を告げられていたのに、調理場に入り浸って何もしてこなかったのは自分自身。
古代語を覚えたりマナーを覚えたり、考えて見ればわかる事なのだ。
私はこの世界の事をまだよく知らない。
儀式についてもメイランさんに聞けば分かる事なのに聞かなかったのは私の怠慢だ。
だから、これは全部私のせい。
「ごめんなさい。」
きちんとしなければいけない。
私はこの世界で新しい生き方を神様から与えられたのだから。
この世界でやっていくと、そう誰でもない私自身がきめたのだから。
「メイランさん、軽くでいいので何か食べられる物を下さい。 」
「ルドガー、きちんと遅れないように支度しますので待ってて下さい。」
「マイクスさん、ルドガーの支度をよろしくお願いします。」
「ウェイン。 扉、直して下さいね。」
私は皆の顔を見ながら笑顔でそう話す。
「わかりました! すぐに用意します。」
そう言ってメイランさんが部屋から出ると、皆が慌ただしく動き始めた。
マイクスさんは
「ルドガー様。 彩奈様のおっしゃるとおり、支度しませんと。 私は先に準備して参ります。」
ルドガーに向かって一礼して部屋を出ていく。
そのルドガーは私を見つめると
「もう大丈夫だな? 神殿で待っているから。 行くぞ、ウェイン。」
そう言い、
「え? え? 扉直すって・・壊す許可とったよねぇ! ルドガー?聞いてる!? 」
叫んでいるウェインの肩を掴むと一緒に部屋を出ていった。
私は皆が出ていった元扉があった場所を眺め、首を軽く振ると両手で自分の頬を思いっきり叩いた。
「私は私のできる事をやらなくちゃ!」
すみません!
22日に投稿予定だったんですが、途中から支離滅裂で全削除して最初から書き直した為に掲載が遅くなりました。
結局あまり変わってないんですが、前のは私なりに納得がいかなかったので。
読んでいただきありがとうございます!




