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異世界神話奇譚 〜白虎の王様〜  作者: 下弦の月
活動開始
23/58

睡眠は大事です。

今日は朝から晴天。

いいお天気だね〜。 なんて朝起きてのんびり窓を眺めてました。


ドンドン!

「彩奈様? 起きてらっしゃるなら扉を開けて下さいまし!」


「彩奈! 何故鍵をかけてるんだ?」


「彩奈様。 お時間がございません。」


寝室の扉を叩く音が響く。

メイランさん、ルドガー、マイクスさんの声が聞こえてくる。


え?三人がなんでこんなに焦ってるかって?


それは、今日が御披露目の儀式当日だからです。

わかってるよ? もうあれから10日経ったんだから、今日が御披露目の日だってことくらい。

でもね、こんなに忙しいなんて聞いてなかった!

昨日、やっとドレスが出来上がって届いたのが夜の食事が終わった頃。

それでもまだ披露目の儀でのマナーを全て覚えていなかった私。

ドレスの試着をしながら頑張りましたとも。

なんたって、披露目の儀での誓いの言葉は全て古代語。

自己紹介レベルで構わないって言われても、私つい最近なんだよ?この世界の言葉を覚えたの。 神殿に行って、神殿前で言葉を言い、神殿奥の祭壇で誓いの言葉を捧げるのも全て古代語。 しかも神殿前に立ち太陽に向かって一礼(お辞儀の角度まで決まってました。)祭壇で言葉を捧げた後、今度は何故か私が祭壇の前に立ち皆から礼を受ける。(これは私が神に愛される者なので、その恩恵を皆が賜る為らしい。)


そして王宮に戻り各国への挨拶。

この披露目の儀の為に既に各国の王様達が3日前からこの国にやってきています。


挨拶が済んだら少し休憩が入った後、次は神域へ。

神域では神への感謝を捧げ、心静かに過ごす。

そして最後は晩餐会。


これが今日一日のスケジュール。


そんなに忙しそうじゃないって思う?

でもね、これにお着替えの時間が含まれるの。 神殿用の服に、挨拶用の服、神域用に、晩餐会用。

これ全部違う服を着なくちゃいけないの。

しかも! 全部脱ぎ着の難しいドレスばっかり! 一人でドレスなんか着れないから勿論全部着付けてもらわなきゃいけない。

それに合わせて髪型も変えなくちゃいけなくて。

一日で終わるようなもんじゃなくない!?

だから朝早くから起きて支度しなくちゃいけないんだけど。


私、今、とっても眠いんです。

古代語をなんとか合格レベルまでもっていったのが、日付けが変わる頃。 それから晩餐会でのマナーを復習して、それが終わったのが空が白くなり始めた頃。 もう眠気も半端無くて復習に時間がかかったのが原因。

その後少しでもお眠り下さいって言われて寝室に行ったんだけど。

いるのよね・・この世界にも。

朝も早くから庭を歩く人。


やっと眠れると思ってベッドに飛び込んだ私の耳に聞こえてきた大きな声。

どうやら中庭を散歩しているらしいのだが。

いえ?散歩はいいんですよ?散歩は。

私も息抜きにしてるし。

でもね、何も散歩中に大きな声で歌わなくても言いと思うの!

一度眠ったら途中で起きることの無い私は、いつもなら中庭を散歩してる人がいようが、大声を出そうが全然気にしない。


この部屋が中庭に面してることも知らなかったくらいだし。


だけどね、やっと一日が終わってほんの少しでも眠れると思ってベッドに飛び込み、スーッと引き込まれるようにして眠りにつこうとした瞬間大声で歌が聞こえてきた時には一体何が起こったのか、咄嗟に飛び起きてしまった。


そのくらい凄い声だった。

まぁ一言で言えば、音痴?

某アニメのジャ○○ンくらい酷い歌。

しかも、一人じゃなくて多分三人?

二人か三人だと思うけど、皆ジャ○アンレベル。

あまりの酷さに布団に潜ったんだけど、それでもあの破壊的な声は鼓膜に響くように聞こえてきた。

暫く歌って気が済んだのか歌は聞こえてこなかったけど、その後の話し声がまた凄い。

もう本当に叫び声?って思うくらい大きな声で喋ってた。

え?じゃああの物凄く大きく感じた歌声はあれが通常レベルなんですか??

じゃあ、本当に大きな声で歌ったら一体どのくらい破壊的なんですか?

もしかしてこの王宮なんて吹っ飛んじゃうんじゃ?(大げさ?)


とにかくその話し声に耳を傾けてると、どうやらそこにいたのはどこかの王様だったらしい。

今回の稀人様は・・とか、以前儂の国に来た稀人は・・とか、そんなような事を話していたから。


で、とにかく寝入り端に大きな声を聞かされた私はあまりの驚きに心臓がドキドキしてしまって眠れませんでした。


いや、頑張ったよ?

少しでも寝ておかないと翌日に響くってわかってたから。

だから、部屋を思いっきり真っ暗にして、鍵もかけて、以前メイランさんに貰った眠りが訪れる香りを焚いて。(アロマテラピーみたいなものかなぁ)


でもね、全然訪れてくれなかったんです。

睡魔さんが。


そうこうしてるうちに私の部屋の応接室側の扉が開き、侍女さん達が動いている気配がしてきて。


あんまりにも眠れなかったから仕方なく物凄い分厚いカーテンを開けて空を眺めてたんです。


そこでこの話の冒頭に戻るんだけど。


寝ていないのに、意識ははっきりサッパリって経験ない?

そうです。

私、現在徹夜のおかげでハイになっちゃつてます。

でもね意識だけハイになってるおかげで、身体は眠気感半端無くて。

その状態から目を逸らしたくて窓の外の綺麗な青空を眺めています。


メイランさんやルドガーが応接室の方から呼んでいても、どうしようもありません。

だって身体が眠いって言ってるってことは、身体が動かないって事なんだもん。

意識ははっきりしてますよ?

でも身体を動かそうとすると物凄く緩慢な動きしかとれない。


だから、私にはどうすることも出来ない状態で窓の外を眺めてるしかないんです。



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