元の世界の事を話しました。
メイランさんが〔食事をとってきます。〕と言い部屋から出ていくと、カルナックが何故か目を爛々と輝かせてこちらを向いている事に気づいた。
(あの・・何か?)
私がそう問いかけるとそれを待っていたかのように話しかけてきた。
〔実は、今までの稀人様が書き記した書があるのですが、出来ればその書を読んで私に教えていただきたいのです。どうやら稀人様の心境を書かれた物らしいのですが、あちらの書き方で書かれているので読む事が出来ないので。〕
今までの人達が書いてきた物なら私も読んでみたい。何を思っていたのか・・、どういう風に過ごしていたのかが分かるかも知れないからだ。
(構いませんよ。ただ、昔の人が書いたものだともしかしたら私にも読めないかも知れませんが、それでも良ければ。)
昔の言葉は勉強で習うくらいなので、読めない可能性が高い。しかも、日本から来る人だけではないかも知れないのだ。
それでも読んでみたいと思った。
同じように死に直面しこの世界にやってきた人達はどのように過ごし、そしてどう感じたのかが知りたかったのだ。
〔あの・・それと・・〕
なんだか話しかけにくそうにするカルナックに、問いかけがそれだけではない事に気づいた。
(他にも何かあるんですか?)
そう聞くと、
〔はい!実はこちらの方が本題でして・・この世界ではない稀人様のいた世界の事が聞きたいんです!〕かなりの勢いで声が聞こえてきた。
私のいた世界。
恐らくはこの世界とは色々な事が違うだろう。
カルナックが聞きたいのもなんとなく分かる気がする。
(私の住んでいた場所は新幹線も止まるような大きな街で、電車やバスもたくさん通ってたかな。休日にはたまに母親と遠くまで車に乗って買い物とか行ってて、普段は家でテレビとか見てた事が多かったなあ。あ!そういえば、携帯が壊れてスマホに買い替えたばっかりだったのに!! しかも、テレビも自分専用のを買って貰ってこれからDVD見放題だったんだ!!もー最悪!!)
〔あ・・あの・・!〕
向こうの事を説明していたはずなのに、携帯電話の事や新しいテレビの事を思い出し、いつの間にか話しがそれていてカルナックの言葉にハッとする。
(ごめん!違う方向に話しがそれた!)
そう謝るが何故かカルナックは頬を紅潮させて〔いいえ!とても興味深い話しが聞けています! 新幹線とかバスとか電車とは何ですか? 車に乗ってと言っていましたが、それは乗り物なんですか? あ!それと、テレビや携帯すまほ?というのもわかりませんし、でぃーぶいでぃーとは!?是非教え下さい!!〕矢継ぎ早にまくし立てるが、DVDやスマホの話し方が子供のしゃべり方に似ていて少し笑えた。
(えっと、順番に説明すると新幹線は遠くに行く時に使う乗り物ですね。近くの場合はバスと電車が多かったし。 車は近くと遠く両方に使います。新幹線や、バス、電車は乗る場所や時間が決められているので、自分の好きな時間に行きたい時は車が多いです。それと携帯は携帯電話と言って、遠くにいる人と話せる物です。 スマホはスマートフォンと言って、これも携帯と同じ役目をします。 テレビは四角い形をしていて、遠くから映像が送られてきているのを見る機械で、DVDはそれを記録しておく物です。)
詳しいことは分からないし、どうやって作るのかも分からないがとりあえず自分の知る限りの説明をする。
本当に簡単な説明だったにも関わらず、カルナックは全ての言葉に感心したかのように何度も首を縦にふっていた。
〔遠くに行く時にのる乗り物ですか。それはこちらでは走竜や飛竜のようなものなんでしょうか!? 映像は確か魔法都市に何かを映す物があると聞きますし。しかし、遠くにいる人と話す事が出来る携帯なるものはこちらにはありませんねぇ。似たような物がある、とも聞きませんし。 やはりこちらの世界とは色々違うんですねえ。〕
なにげなく言ったであろうカルナックの話に少し驚く。
(あの・・? 走竜とか飛竜って、もしかして竜がいるんですか?ここって。)
確かにこの世界の説明をメイランさんから聞いた時、浮遊城や魔法都市、そして妖精などまるで本の世界がそのままあるような感覚だった。 だけど、竜まで出てくるとは思ってもみなかったのだ。
〔はい。地上を走る走竜に、空を飛ぶ飛竜、そして地下には地竜もいます。 竜はとても賢い生き物ですので簡単には扱えませんが、一旦竜に気に入られるとその者には一切危害を加えることはありませんし、言葉に逆らうこともありません。 なので、こちらではとても安全な乗り物ですよ。〕
安全と言われて、見たこともない竜という生き物に興味がわく。
もともと本を読むのが好きで、ミステリー、サスペンス、恋愛物と読むジャンルにはこだわらないが唯一ファンタジー物は別で、とにかく空想上の生き物が出てくる物語が一番大好きなのだ。
カルナックとかなりの時間話していたらしく、メイランさんが途中部屋に入ってきていたことにも気づいていなかった。
せっかく持ってきてもらった食事も冷めてしまったようで、メイランさんの温めてなおしてきます。の言葉に断りをいれる。
さすがにお腹の減り具合が我慢できない所にきているのを訴えて、なんとかそのまま食事をとっていると、ルドガーが執務を終えたのかノックもせずに入ってきた。
「ルドガー様。 貴方も王になっているのですから、レディの部屋に入る時にはノックくらいして下さいませ。」
いきなり部屋に入ってきたルドガーにメイランさんが少し怒ったような顔をして何かを話す。
「悪かった。」
メイランさんには頭が上がらないらしくすぐにルドガーは頭を軽く下げて一言話す。
なんとなくだけど、謝っているのがわかった。
〔先ほど会議を終えたが、異世界から稀人が来た事を各国に伝えるように申し渡してある。 すまんが、暫くはこの部屋から出ないようにしてもらえるだろうか。 恐らくはかなり騒がしくなるだろうから。〕
題名に困りました。
最初とは変えています。




