恐怖のドライブNO.2
秋たけなわの高原でのできごとなのだ。
標高1400mの四国カルストは11月になると四方の紅葉が最高に素晴らしい。
私の家族は数年にわたってのリピーターなので、乗って行く車も色々な遍歴を重ねてきた。
今回の話の時は、紺色の1500ccの普通車だった。
行きはよいよい帰りはこわい――。
ハイウェイができてしばらくしてのことだった。
山の側面にはススキもそろそろ終わりかなと、綿毛が飛びそうになっている白い穂を眺めながら頂上へ向かって車を走らせた。
やっと山頂にあるホテルの駐車場に着いた。
その途端!
バタっ――とバッテリーが上がってしまった。
どうしよう……???
二つの車のバッテリーをつなぐとエンジンが掛かることは知っていた。
でもあのコードを積んでくるのを忘れていた。
私はホテルの受付に走った。
「あの、バッテリーが止まったんですが、どうにかなりませんか」
「あ、いいですよ」
親切にも、来てくれたホテルマン。
自分の車と私の車のバッテリーをつないで、
「エンジンかけてみてください」
「はい」
がぁ――、ごぉ――。
「はい、これでかかりましたね。ただし、バッテリーの量が非常に少なくなっているので家に帰るまで、ライトはつけないでくださいね。そして、エンジンを止めずに、そのまま静かに静かに帰ってください」
いわれた通り、静かに静かに――。
山から公道に下りるまでには、当然いくつかのトンネルが、それもながーいトンネルもある。
その真っ暗のトンネルの中を、ライトをつけずにそろりそろりと走った。
その間、対向車も幾台か。。
そして、やっと山からおりて山合いの道に出た。
でも、車を止めるわけにはいかない。
家までは一時間あまりかかる。
「トイレに行きたい」
助手席に乗っていた男がしきりにせがむ。
そこで、わたし。
「そのへんにしてよ。急いでね」
もちろん、急いで急いで立ち○○○で済ませたのはいうまでもない。
無事家の近くのガソリンスタンドに辿り着いたときは店の人が神様に思えた。




