キッシム=エライダム2
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キッシム=エライダムは大ホールに仲間と共に集まっている。
大きさは東京ドームの半分くらいの広さを誇る空間だ。
「これで全員か?」
その質問に、大抵の者は首を横に振った。
「いえ。老騎士どもを抑えている者たちがいません」
答えたのは先程も出てきた女性だった。長い赤みを帯びたロングヘアが特徴的だ。
「まあ、そいつらは、どうでもいい。私が言ったのはそいつらを抜いた状態で全員いるか、ということなにだからな」
キッシムは周りにいる手下たちを散らせると、一人大ホールの中心部へ向かう。
そして、腕の中には金髪碧眼のあの少女が抱えられていた。
「その子が例の――」
丁度キッシムの近くにいた団員一は、言った。
それに、キッシムは「ああ」とだけ答え、そのまま中心部へと向かった。
中心部には直径二十メートルにも及ぶ魔方陣が、地面に描かれていた。
その魔方陣の中央にまだ気を失っているセラフィを寝かせた。
「やっとか――」
呟いた。
「何年間この時を待ったことか――」
セラフィを寝かせ終わったキッシムは ゆっくりと立ち上がり、暗黒組織団員に告げた。
「これから午前零時まで待機とする。その時が来次第に、術式の発動を開始する」
それだけ告げると、このホールに設置されていたイスに腰を落ち着かせた。
団員たちも皆、キッシムに習うように各自自由に行動を取った。
しかし――
突如、ズゴンッ!! という英国騎士団本部全体を揺るがす轟音が、響いた。
キッシム以外の暗黒組織の面々は腰を落として倒れないようにと体勢をとった。
だが、違う方向から見てみると、これは腰を落とさないと倒れかねない程の揺れだということだ。『オーディンの怒り』はそれほどまでに強力な魔法なのだ。
その魔法を発動させた等の本人は、イスに座り、テーブルに置いている紅茶を優雅に啜っていた。
「発動したか。これで英国騎士団団員はすべて始末したな。零時まで後何分ある?」
キッシムは、近くにいたお馴染みの女性に、時刻を尋ねた。
「今現在は午後八時を回っています。どういたしますか? やろうと思えばやれてしまう時間帯ですが」
その発言に、キッシムは少し考えるが、
「いや、そうだな。もう少しだけ待とう。後一時間だけ、そうしたら実行だ。まあ多少エネルギーが少なくとも、《門》を開ける為のエネルギーくらいは溜まっているだろう」
隠語か何かは分からない。だが、キッシムが今さっき言った《門》というのはそこらへんにあるような物のことではないことくらいは分かるだろう。
不可解な単語を残し、キッシムはまた紅茶を口へと運んだ。




