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推しが尊すぎて、気づいたら私もアイドルになってた件  作者: AI子
第1章 陽キャ女子高生、人生初の“推し”に出会うまで

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第4話 オーディションって何するの?

 翌日の昼休み。

 私は購買で買った焼きそばパンを片手に、優ちゃんの席へ向かった。


「優ちゃーん、今日も一緒に食べよ!」


「……うん」


 優ちゃんはお弁当を広げながら、ちらりと私を見た。

 昨日よりも、少しだけ表情が柔らかい。


「そういえばさ、優ちゃん」


「なに?」


「オーディションって……何するの?」


 私は本気で知らなかった。

 アイドルのオーディションなんて、テレビで見たことがある程度だ。


 優ちゃんは箸を止め、少し考えてから答えた。


「……書類審査があって、一次審査は歌とダンスの基礎チェック。

 二次審査は面談で……そのあと、合宿があって……」


「合宿!?」


「う、うん……。韓国のオーディション番組みたいに、ミッション形式で……」


「ミッション!? なんかゲームみたいじゃん!」


「……そんな軽いものじゃないよ……?」


 優ちゃんは苦笑した。


「ダンスも歌も、表情管理も、全部見られるし……。

 視聴者投票もあるし……。

 SNSでの反応も、順位に影響するし……」


「え、SNSも関係あるの?」


「うん……。だから、すごく……大変」


 優ちゃんの声は震えていた。

 その震えは、恐怖だけじゃなくて、期待も混ざっているように聞こえた。


「優ちゃん、すごいじゃん。そんな本格的なの受けるんだ」


「……うん。ずっと、夢だったから」


 その言葉は小さいけど、芯があった。


(ああ、この子……本当にアイドルになりたいんだ)


 私は焼きそばパンを置いて、優ちゃんの目をまっすぐ見た。


「ねえ、優ちゃん」


「……なに?」


「私、優ちゃんの夢、応援するよ」


「……ひよりさん……」


「ついていくだけじゃなくて、ちゃんと支える。

 私、コミュ力だけは自信あるから!」


 優ちゃんは驚いたように目を見開いたあと、ふっと笑った。


「……ひよりさんって、本当に……太陽みたい」


「え、褒めてる?」


「……褒めてる」


 その笑顔は、昨日よりずっと明るかった。


---


 放課後。

 私はスマホを開いて、優ちゃんが教えてくれたオーディションの公式サイトを見ていた。


「えーっと……“全国公開オーディション・NEXT IDOL PROJECT”……?」


 名前からしてガチだ。

 ページをスクロールすると、過去の合格者たちの写真が並んでいる。


「うわ、みんな可愛い……」


 私は思わず声に出してしまった。


 そのとき、後ろから声がした。


「ひより、何見てんの?」


 振り返ると、美咲が覗き込んでいた。


「あ、これ。優ちゃんが受けるオーディション」


「え、ガチのやつじゃん! ひよりも受けんの?」


「いやいや、私は付き添いだよ!」


「付き添いで行くの!? ひより、優しい〜!」


 美咲はにやにやしながら私の肩を叩いた。


「でもさ、ひよりってさ……」


「ん?」


「なんか、こういうの向いてそうじゃない?」


「は?」


「だって、顔可愛いし、愛嬌あるし、コミュ力バケモンだし!」


「いやいやいや! 私、歌もダンスもできないし!」


「でも、ひよりならなんとかしそうじゃん?」


「なんとかしないよ!」


 私は全力で否定した。


(……まあ、確かに興味はあるけど)


 でも、私はアイドルになりたいわけじゃない。

 優ちゃんの夢を応援したいだけ。


 ――このときの私は、本気でそう思っていた。

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