表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しが尊すぎて、気づいたら私もアイドルになってた件  作者: AI子
第1章 陽キャ女子高生、人生初の“推し”に出会うまで

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/17

第16話 陽キャ女子高生、覚醒する

 二次審査の控室に移動すると、空気が一気に変わった。


 一次審査とは比べものにならない緊張感。

 候補生たちの目つきも、姿勢も、呼吸すらも違う。


「……ひよりさん……」


 優ちゃんが不安そうに私の袖を掴む。


「大丈夫。優ちゃんはここまで来たんだよ。胸張って!」


「……うん……!」


 優ちゃんは小さく頷いたけど、手はまだ震えていた。


(そりゃそうだよね……)


 二次審査は“面談+表現力チェック”。

 歌やダンスよりも、内面や魅力を見られる。


 優ちゃんにとっては、ここが本当の勝負だ。


---


 そのとき。


 控室の奥で、黒瀬瑠歌が立ち上がった。


 静かに、ゆっくりと。

 まるで空気を切り裂くような存在感で。


(……っ)


 胸が跳ねる。


 瑠歌はスタッフに呼ばれ、二次審査の部屋へ向かっていく。

 その背中を見た瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。


(……また見たい)


(……もっと知りたい)


(……もっと近づきたい)


 さっきまで“付き添い”として優ちゃんのことだけ考えていたのに、

 今は瑠歌の姿が頭から離れない。


(……私、どうしちゃったの)


 自分でもわからない。

 でも、確かに心が動いていた。


---


「白石優さん、準備お願いします」


 スタッフの声が響いた。


「……っ……!」


 優ちゃんの肩が跳ねる。


「優ちゃん、大丈夫。深呼吸!」


「すー……はー……」


「よし、行こ!」


 私は優ちゃんの背中を軽く押した。


 でも――

 その瞬間、優ちゃんが私の手をぎゅっと握った。


「……ひよりさん」


「ん?」


「……ひよりさんがいてくれて……よかった……」


「……!」


 胸が熱くなった。


(……そうだ)


 私は優ちゃんのために来たんだ。

 でも――

 それだけじゃない。


 瑠歌の歌声を聞いて、

 瑠歌の姿を見て、

 胸の奥が勝手に動き出した。


(……私、もう“ただの付き添い”じゃいられない)


 優ちゃんを応援したい。

 瑠歌をもっと知りたい。

 この世界をもっと見たい。


 その気持ちが、胸の奥で大きく膨らんでいく。


---


 優ちゃんが審査室へ入っていく。

 扉が閉まる。


 私は深呼吸した。


(……よし)


(……覚悟決めた)


 胸の奥が熱くなる。


 陽キャとしての“ノリ”じゃない。

 誰かのために本気で動きたいという、初めての衝動。


(……私、もっとこの世界を知りたい)


(……優ちゃんの夢を支えたい)


(……そして――)


(……瑠歌ちゃんを推したい)


 その瞬間、

 胸の奥で“何か”がカチッと音を立てて動いた気がした。


---


「……よしっ!」


 私は思わず拳を握った。


 隣にいた付き添いのお姉さんが驚いた顔でこちらを見る。


「ど、どうしたの?」


「いや……なんか……覚醒した!」


「えっ……?」


「私、もっと頑張る! 優ちゃんのためにも、推しのためにも!」


「推し……?」


「うん! 推し!!」


 自分で言って、顔が熱くなる。


(……でも、もう隠せない)


 私は今日、人生で初めて“推し”に出会った。

 そして、初めて“誰かの夢を本気で応援したい”と思った。


(……ここからだ)


 陽キャ女子高生・天野日和。

 ただの付き添いから――

 **推し活に全力を注ぐ“覚醒モード”へ。**


---


 こうして、

 私の“推し活”と“優ちゃんの夢”の物語が本格的に動き出した。


 まだ何も知らないまま、

 私は新しい世界へ足を踏み入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ