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バレー漫画といえば?
『昴』
『MOON -昴 ソリチュード スタンディング-』
作:曽田正人
「またバレーボール漫画?」と思いきや、ダンスの方のバレーである。曽田正人といえば、他にも『シャカリキ!』『め組の大吾』『capeta』などの「没入型の天才」を描くのが芸風だが、突出しているのは、やはりこの作品の主人公・昴だろうか。
続編である『MOON -昴 ソリチュード スタンディング-』の賛否が分かれる点は、おそらく論点違いとも思える。こういったタイプの主人公の作品を、連続して一気に読むには「少し長すぎるだけ」というのが、実際のところ。読む側の集中力を少しオーバーし、それによって読者の意識が「マンネリ」と感じてしまうのだろう。マルセル・マルソーがいうところの「緊張と緩和」の「緩和」を描くのが、苦手な作家ともいえる。
けど、まあ、傑作なのは間違いない。




