閑話)なろう原作漫画に対する「読みエタり」問題について。
読み続けられる漫画と、途中で投げられる漫画。
なろう原作系漫画に対する、読み投げ問題の話。
筆者も、なろう原作系の漫画は、かなり読む方だが、他ジャンルに比べ、途中で読むのをやめてしまう作品が、非常に多い。その原因を考えてみると、やはり思い浮かぶのが「序盤がピーク」問題である。
まだ他の作家がしていないようなチートや、役回りを見つけ、注目を集める作品たち。なろうは「初動が命」なので、人気作はやはりそれなりに序盤が面白い。
出版社側は出版社側で、今は「ガチャ」を回す感覚で新連載を開始する。かつて、紙雑誌のみで発表されていた新作は、コストを抑えて発表出来るウェブへと移行し、そのおかげで、無尽蔵に作品がウェブ上に産み落とされ、今なお増え続けている。
そうなってくると「編集者」の不足と能力不足が浮き彫りとなる。もともと、ある程度はエピソードの溜まった作品に対し、出版社はオファーを送るわけだが、その際、イチからのブラッシュアップは、おそらくほとんどのケースで行われてはいない。
「なろうでこの人気なのだから、このまま使っても問題ないだろう」くらいの勢いで、微調整したら、あとは絵描きに投げるのみ。コストがかかっていないからこそ、気軽に出来る「ガチャ」。とりあえず何本も回して、ひとつでも当たれば、ラッキーという塩梅か。
だけど、どれも序盤だけはそこそこ頑張る。
もともと序盤が受けての人気だったからだ。
しかし、その後は編集の怠惰と作者の実力不足もあり、ほとんどの作品が沈んでいく。読み続けるに堪えうるだけの作品は、全体のいったい何%ほどあるのだろうか?
ある程度は読んだはずなのに、タイトルや主人公の名前が、まったく思い出せない作品が多いのもまた、なろう系の特徴か。モブだけでなく、主人公までもが一種の「記号化」されたキャラクターであるケースが多いため、致し方ない面でもあるが。




