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坂口尚作品といえば?

『あっかんべェ一休』

作:坂口尚


ジャンル縛りかと思いきや、いきなり個人名が登場。で、ほとんどのひとにとっては「坂口尚って誰やねん?」状態であるが、はっきり言って、偉人である。


手塚治虫の虫プロでアニメーターとして働き、並行して漫画家に。本作を書き上げた直後に急性心不全で亡くなっており、『あっかんべェ一休』が遺作となったわけだが、「こんな集大成とも言える凄まじい作品を書き上げたのだから、もうこっちに来い」と、神様にさらわれたのではないのか、と筆者は疑っている。


『ヴィンランド・サガ』の幸村誠も「ヴィンランド・サガは、ほとんどこの作品の影響」とか言い出すくらいには、人生哲学の詰まった作品で、筆者も若い頃に読み、その後の人生観に凄まじい影響を受けたのを今も覚えている。


主人公は、タイトルどおり、一休宗純。

後小松天皇のご落胤にして、やがて破戒僧とまで呼ばれる彼の一生涯の物語。アニメ『一休さん』とは、かなり様子が違い、本作を読むと安国寺のイメージも、かなり変わって来るだろう。


一休の苦悩と悟り。

ひとつ悟ってまた煩悩する一休の葛藤に、読者もいっしょになって深くまで物事を考える視座を得ることが出来、若いひとにこそ、読んで欲しい作品といえる(年を取っていても、全然いいが)。


筆者はリアルタイムでは読んでいないが、古本屋で「とにかく安くて太い漫画」というものを探し、本作にぶち当たった。結果、彼の作品をその後も漁ることになり、そちらはそこそこ高値な物もあり、散財することにもなったのだが、結果オーライである。


ストーリーもそうだが、とにかく画も凄い。

「手塚治虫が嫉妬した画力」とも言われており、特に「何も書かれていない白抜き」の部分の映像の力がケタ外れ。影絵と呼ぶべきか、なんというか。特にユーゴスラヴィアにおける第二次世界大戦時を描いた『石の花』は、ほとんどアートの域のカットも多い。



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― 新着の感想 ―
はじめまして。通りすがりの読み手です。 「石の花」は連載中から追っかけていました。いまだ世界が解決できない民族問題、宗教、そして性善性悪説。考えさせられる作品です。 愛蔵版では最終回にもう少し「希望」…
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