民俗学漫画といえば?
『北神伝奇』『木島日記』『八雲百怪』
作:大塚英志 作:森美夏
『多重人格探偵サイコ』の原作者でもある大塚英志が原作の漫画。森美夏の独特な絵柄が、さらに物語の「間」を巧く引き立てている。『北神伝奇』では柳田國男が、『木島日記』では折口信夫、『八雲百怪』ではラフカディ・ハーン(小泉八雲)が狂言回し役となり、主人公を浮かび上がらせる。実在の人物名が多数登場するフィクションは、大塚特有の手法だが、それゆえに、読者を不思議な怪異の世界へと引きずり込み、夢中にさせる。
大塚原作では、他にも『くもはち』『オクタゴニアン』『東京事件』『松岡國男妖怪退治』なども面白い。
エピソードタイトルから、星野之宣の『宗像教授異考録』を想定していたひとは、正直すまんかった。
その昔、当時まだそれほどの付き合いでなかった女の子に「ゲブラ君、絶対この漫画好きでしょ」と大塚英志の『多重人格探偵サイコ』を手渡された記憶がある。大塚作品との出会いは、それが最初で、そのあと『北神伝奇』と出会い、大塚作品にハマったのだが、サイコはいきなりグロいシーンから始まる漫画で、あの子は「いったい俺にどんなイメージを持っていた」というのか、今でも納得のいかないところがある(何年越しの話やねん)。




