役者漫画といえば?
『アクタージュ act-age』
作:マツキタツヤ 画:宇佐崎しろ
「不祥事打ち切りの漫画を紹介してどないすんねん!」と、読者からのお叱りを受けそうだが、面白かったのだから仕方がない。いわゆる「没入型の天才」が主人公の王道作品。
役者モノでいえば、言わずもがな『ガラスの仮面』や『ライジング!(氷室冴子原作)』が思い浮かぶわけだが、『アクタージュ』はジリジリと人気を上げ、これからという時に、原作者がやらかしてしまったのだから、なんともはや。ただ、ジャンプといえば、島袋の例もあるので、復帰もありえる。なので、この原作者の復活にも期待したい(作画のひとには、いい迷惑だろうけど)。
現在連載中の落語漫画『あかね噺』も原作・作画が分かれるスタイルで『アクタージュ』と序盤の「構造」が非常に似ていたので「原作者のやつ、名前変えて早くも復帰か?」とも考えたが、履歴を調べると年齢は非常に近いものの別人のようなので「これが時代の感性ってやつか?」と考え直した(ワンチャン、編集者がいっしょで編集者のゴリ押しメソッドの可能性もなくはないが)。
最近では『おっさん、転生して天才役者になる』という漫画も存在するが、こちらはしがないオッサン役者が転生して「幼女」になり、天才子役として振舞うという、薄気味の悪い作品。なぜ少年ではなく、幼女なのかに非常に歪んだものを感じ、もちろん読むのをやめた。
「やり直し」でいえば、韓国のウェブトゥーン(=スマホで縦読みするフルカラーの)漫画『回帰したら天才役者!』の方が、ぜんぜん良い。「幼女」は、おそらく『幼女戦記』のように角川お得意のアレな戦略なのだろうが、筆者的には確実に胸やけが起こるので、勘弁願いたい。
編集者同一説。
調べたらアクタージュが村越、あかね噺が林士平というのが判明したので、訂正。けど、敏腕で鳴る林士平が、先行であったアクタージュに似た構造のあかね噺にGO!を出したのが、少し謎。もしくは惜しい構造だと思い、流用させたのか?