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落語漫画といえば?
『昭和元禄落語心中』
作・雲田はるこ
さまざまな賞に、アニメ化、ドラマ化、ミュージカル化もされているので、これをマニアックと呼ぶべきかどうかは迷いどころだが、ジャンル自体がマニアックなので、ここで紹介。
戦前から戦後にかけての落語界のお話。
登場人物たちに、どこかヌラリとした色気があるのは、作者がBLも描く女性であるためだろう。オノナツメ同様、枯れた男の色気も嗜むようだ。
男の漫画家が描く作品は、出来事で物語を構築しがちなのに対し、女性の漫画家のそれは「関係性」で物語を構築していくものが多いので、自分にない感覚を裏から味わうのにも、面白い。
他に落語漫画を挙げるなら、ジャンプで連載中の『あかね噺』、そして『異世界落語』などが思い浮かぶ。『あかね噺』は、「これ、アクタージュの落語版じゃね?」という序盤の印象。そして『異世界落語』は、落語家が間違って異世界に召喚され、落語をするという、ギャグほっこりな落語漫画である。