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拳闘漫画といえば?
『拳奴暗黒伝セスタス』
『拳奴死闘伝セスタス』
作:技来静也
拳闘と聞き、ボクシングを思い浮かべ、「はじめの一歩、一択やろがえ!」と思われた読者も多いことだろう。それはまあ、釣りである。
時は、暴君ネロの時代。
少年奴隷のセスタスが、拳闘奴隷として戦う物語。師匠同士の因縁、少年時代のネロとの交流、様々なヒューマンドラマが交錯する格闘叙事詩。一世紀ごろのローマとそれを取り巻く環境などのディテールもしっかりとしており、勉強にもなる作品。
ひとつ難点があるとすれば、「これちゃんと作者が生きている間に完結するのか?」問題。作者と友人関係であった『ベルセルク』の作者も亡くなり、この作者も手抜きをしないひとなので、健康・体力面が心配だ。けど、面白い。間違いなく。