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転送
フーエンズは、しかし私のところに来ようとはしなかった。
「魔力の泉は沈み、我々の野望は今回はついえた」
「あきらめるんだ」
ミヒャエルが、フーエンズにそっと言う。
「……いや、諦めるわけにはいかない。我らは常に復活しなければならない。だからこそ、不信の芽はここで摘み取る!」
泉が一瞬で沸騰し、そして急速にあふれた。
「いかんぞ!」
お父さんが叫んで、シャボン玉のようなもので私たちをグループごとで包んだ。
すぐに、私がさっきまでいたところに魔力の塊があふれてくる。
ミヒャエルは、フーエンズと共に外にいたが、どうやら平気なようだった。
「諦めろ!もう計画は終わりだ!」
「いや、まだだ!」
そんな風なやり取りが聞こえた。
だがそれもすぐに終わり、ミヒャエルの叫びとともに、私たちはまたべつの、小さな部屋へと自動的に転送された。
そこには敵味方関係なくいた。