プロローグ
マグス国には、"魔法"という能力を持つ人たちがいる。
普通の人たちでも持っている能力だが、一部の人たちはその魔法を使いこなす力がうまいという体質をもっている。
そういう人たちは、18歳になると、国立魔法大学校という教育機関へ入学し、力を暴走させないように教育を受ける。
この学校が設立されたのは、マグス暦321年のこと。
国内外で起こった数々の異常気象の影響で、数多くの人が餓死した。
その異常気象を引き起こした原因が、過去類を見ない大量殺人者として永久指名手配とされている、通称ウルフと呼ばれる集団だった。
彼らは、魔法を使い、数々の"実験"を行った。
詳細は分かっていないが、主には田畑の改良やよりよい掘削法の研究ということになっているが、その中で、人体実験を用いたという痕跡が残っている。
そのいずれがきっかけとなり、この世界のバランスが崩れた結果、異常気象を引き起こしたとされている。
ウルフはその直後、どこへ行ったかわからないままとなっているが、それから1000年以上経った今でもそのことを引き起こしたとされて、指名手配が続いている。
この事件があってから、惑星上にある主権国家が集まり、魔法条約といわれる条約の集合を結んだ。
そのうちのひとつ、魔法大学校条約によって、各国に国立の魔法大学校を作ることが義務付けられた。
4年制で卒業と同時に魔法博士の称号を得ることができるということになっている。
その中で、寮生活をし、ともに勉学に励む者達は、9月の秋が始まろうとするときから入学をする。