4話
水着から制服に着替えてホームルームが始まった。
髪から滴る水滴で教室は濡れている。
担任が教室に入ってきた時、床が濡れているのに気付かず滑って転んでいた。
みんな大爆笑。担任には申し訳ないが私も笑った。
小綺麗なスーツは薄汚れて、担任は少し悲しそうだ。
「なんで濡れてるって教えてくれなかったんだよ、痛かったんですけど。」
先生の言葉で余計に笑いが止まらなくなる。
「気を取り直して。夏休みまで残り一ヶ月を切りました。このクラスだけ何科目か授業が遅れているので急ピッチで終わらしていきます。」
みんなが文句を次々に言い出す。
そう、このクラスは授業を遅らすことで有名だ。
先生を巻き込んで授業を脱線させ続ける。永遠に教科書のページは次に進まない。
「静かに、そういうところを直してくれれば先生たちも楽なんだがな…。授業だけでは追いつけないから課題を毎日出します。」
最悪としか言いようがない事態。教室はざわめきが止まらない。
「課題をやらなかったら三者面談な!」
クラス中悲しみの声で溢れかえる。そんな中、チャイムが鳴り響いた。
「もうそんな時間か。じゃあ委員長、号令お願いします。」
起立!礼!
さようならー!!
ドタバタな今日の授業も終わりを告げた。