3話
六時間目。
体育の授業だ。
水泳は結構得意だったりする。
女子校だからなのか、みんな何も気にせず着替えだす。
私もその一人だ。
「お前胸でか!笑」
「揉んでいい?」
「胸なさすぎだろ!」
恥じらいの欠片もないなこの人たち。
「日焼け止め!噴射ー!」
なのはに目をやる。
白い肌が透き通っていて美しい。
胸はそこそこ。
長い茶色味の髪もとても綺麗だ。
水着で強調されるボディライン。
かわいい。
着替え終わりプールサイドに出る。
アスファルトがとても熱い。
地獄だ。
つま先で立って地獄のシャワーまで走る。
「夕希、シャワー冷たすぎるよ。」
なのはが話しかけに来た。
それな。さっさと出よう。
みんな叫びながらシャワーをくぐる。
なんでこうも冷たいんだろう。
「今日の水泳はクロールをするぞー」
真っ黒に日焼けした体育教師。
一応女性の先生だ。
「先生は泳げないので天海、お手本を頼む。」
分かりました。そう言って飛び込み台に乗る。
「飛び込まなくていい。」
そう注意が入った。
飛び込みたかったが仕方がない。
冷たくて少しぬるいプールに身体を預ける。
笛の合図とともに泳ぐ。
ただがむしゃらに。泳ぎまくる。
二十四メートル泳ぎきった。
プールから上がると、歓声が響いた。
この瞬間が少し楽しい。
有名人になったかのような気分になる。
「はい、ありがとう。24mも泳がなくてよかったんだけどな。誰でもいいからペア組んで。」
私はもちろんなのはとペアを組んだ。
「全員ペア組めたみたいだな、よしプールに入っていいぞ。」
先生の声とともにクラスメイトたちがプールに入る。
なのはは嫌そうな顔をしている。
なのは、大丈夫?泳げなくたってなんとかなるから頑張ろ!
「夕希にそんなこと言われても説得力ない!嫌だー!」
なのははかなりの運動音痴。嫌なのも無理はない。
私とペアなんだよ?いいじゃん、責めたりする人いないよ?
そう声をかける。
「分かった、ちょっとだけ頑張る…」
そうやって始まった水泳の授業。
なのはの手助けをしながら、歓声を浴びながら授業を終えた。