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12話
「今日の祭りは花火も上がるんだって。」
そうなんだ。
屋台を回りながら話す。
焼きそば、たこ焼き。チョコバナナ。かき氷。
なのはは永遠に食べ続ける。
「最後の晩餐だよ。楽しも?」
最後…、あぁ。あっけなく終わるのか。
射的に偽物の金魚すくい。
景品を取れてもなのはは笑わない。
「あの高台が一番花火見えるの。行こうよ。」
制服の襟を引っ張られながら連れて行かれる。
怖さ半分諦め半分。
私は奴隷だ。
高台に着いた頃、花火が打ち上がった。
色とりどりの花はとても綺麗だ。
「写真撮ろう!」
花火を背景に写真を撮る。
「遺影だね。」
そう彼女は笑う。
最後の一発を見届け、祭りは終わった。




