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プロローグ
「夜空に散ろう」
そう君は呟いた。
2人ならきっと。きっと怖くないから。
視界がぐるぐると回っていく。
あれ程遠い存在だった地面がもうすぐそばに見えた。
彼女の顔を必死に見ようともがく自分。
「来世では君とまた出会えたらいいね。」
そんな言葉が聞こえる。
最後に見えた君の顔。
苦しみから、痛みから。
全てが抜けていくような力のない顔をしていた。
これで本当に終わりなんだ。
これが最後なんだ。
地面に身体がぶつかったのだろうか。
とても鈍い音が静かな街を襲った。