帰り道
こんにちは。今回初投稿でホラー作品を執筆してみました。最初ということであまり尖ったことはせずありきたりですがもし少しでも楽しんでいただければ嬉しいと思います。
全く今日も最悪の一日だった。塾講師なんてやるもんじゃない。
周りから楽そうなんて言われるのに社交辞令で自分にはできないだの教えられて凄いだの嘘八百を並べ立てられる。本当に不愉快極まりない。
こんな時はコンビニでチキンなりなんなり食べるに限る。
「いらっしゃいませー」
ここの店員も嫌いだ。態度が悪い癖にずっとクビにされない。ましてや俺に対しては難癖をつけてなおさらひどい態度をとってくる。袋いるかどうかの質問くらい敬語を使えってんだ。
そういえば今日はやけに店内がうるさいな。近所のばあさん連中が大声で話していやがる。
「そういえば聞いた?先週でもう3人目だって。」
「お子さんが殺されてるって話でしょ?いやねー物騒で。」
「でも不思議よね。何人も殺されているなら犯人見つかってもおかしくないと思うんだけど。」
「あら奥様知らないの?ただの事件じゃないらしいわよ?」
「どういうことよ。」
「なんでも事件現場には大量に血が残っていたそうなのよ。でも死体は残っていないんですって。殺されたなんて一目瞭然なのにしたいだけわざわざ持ち去る理由がわかってなくて、変な事件なんだそうよ。」
「気持ち悪いわねぇ。」
この噂そんなに有名になっていたのか。最近色んな所で話されてるから耳に胼胝ができちまったよ。どうせ本当に怖いだとか気持ち悪いなんてことは思っちゃいないんだろうな。ただ噂話を楽しんでいるだけ。
そうだ盗み聞きなんてしている場合じゃなかったな。ついでにキンキンに冷やせるように氷でも買っておこう。
「…。袋は?」
「大丈夫です。あと、チキンください。」
ついに値段まで言わずに一言だけで接客を済ませやがった。こういうやつを狙えよな犯人の奴はまったく。
本当にいつもいつもむかつくことばかりだ。餓鬼のおもりなんてメリットでもない限り絶対にごめんだ。俺の心の平穏を保ってくれるのは肉くらいだ。
ん?なんだかまた騒がしいな。今日はなんなんだ。やけに人が集まっていやがる。
「ついに4人目ですって。」
「遺体が今回はあるってよ。」
「同一犯じゃないってこ!?」
「下がってください!」
また発見されたのか。今回はずいぶん早かったな。普段はもっと遅い時間に見つかると思っていたからちょっと意外だった。これはそろそろ犯人も捕まっちまいそうかな。死体もあったようだしまともな手口もはっきりして終わるだろう。
はぁ。やっと帰ってきた。見た目の割にやっぱり氷って重いんだな。とりあえずテレビをつけるか。
「速報です。連続児童殺害事件に新たな被害者です。しかし、今回は遺体が残っている状態だったとの情報も入ってきています。詳しい情報はまた入り次第お伝えいたします。」
最近のテレビは暇なのか本当に情報を掴むのも現場に向かうのもはやいんだな。
さて、チキンを食べたらまた氷を足さないとな。今回チャンスを逃したのは残念だが、まぁ今あるのでしばらくもつだろう。あの犯人にはもっと頑張ってもらいたかったが多分そろそろ捕まるな。
今日はどいつを潰そうかな。蹴とばすのも悪くないな。
俺は冷凍庫を空ける。そこで俺はあいつらと目が合った。
「よう餓鬼ども」