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なろうラジオ大賞3

お味噌汁の中に水死体が浮いている

掲載日:2021/12/17

ホラー要素がありますので注意して下さい。

 同僚の中島と行きつけの定食屋へ向かう。


 会社の近くには老舗の定食屋があり、いつもそこで昼食を済ますのが日課だ。


 ランチは一食600円。

 ご飯と味噌汁はお替りし放題という、なんとも嬉しいサービスつき。


 そのため、店は大繁盛。

 早くいかないと席が取れないほど人でにぎわっている。


「今日は俺、メンチカツ定食にするわ。お前は?」

「俺は……ミックスフライにするよ。

 すみませーん! 注文お願いしまーす!」


 注文を済ませ、しばらく待っているとすぐに料理が運ばれてくる。


 俺の目の前にミックスフライ定食が置かれた。

 カラっとあがっていて、おいしそう。

 香ばしい匂いが胃袋を刺激する。

 そして何より炊き立てのお米とお味噌汁が……。



 ……え?



 俺は目を疑った。

 味噌汁の中に水死体が浮いているのだ。


 それは小太りの中年男性だった。

 うつぶせになって浮かんでいる。


「うわぁ、今日もうめぇなぁ!」


 おいしそうにとんかつを頬張る中島。

 彼にはこれが見えていないらしい。


 いや……マジでどうした?

 なんでおっさんが浮いてるの?


 試しに箸でつついてみると、妙な触感が指先に伝わる。


 間違いない。

 これは現実に存在している。

 俺だけに見える水死体だ。


 こんなのが浮いている味噌汁を飲むことはできない。

 とりあえず……他のものを食べよう。


 俺は黙々と食事を続ける。

 妙に冷静な自分が怖い。



 こつん……。



 白米をつついていたら、何かに箸がぶつかる。

 嫌な予感がする。


 俺は白米をかき分けて、その物体の正体を探った。

 そこには……ステテコ姿のおっさんが埋まっていた。


 おっさあああああああああん!


 なんでだああああああ!

 俺の白米返せよおおおおおおおおお!


「ん? どうした?」


 中島が怪訝そうな表情を浮かべている。


 何でもないと言いながら、白米を元に戻す。

 もう……コメも食べられない。

 

 もしかしたらだけど……。


 ミックスフライ定食のカキフライに箸を入れた。

 妙な感触。


 やっぱり……これにも……。


 俺はカキフライの衣を箸で開いた。

 そこには……。




「なぁ……何かいいことでもあったのかよ?」


 会社へ向かう、帰り道。

 中島が不思議そうに尋ねてくる。


「味噌汁もご飯も残してただろ。

 具合悪いんじゃないかって心配したよ」

「別に……むしろいいぐらいさ、すこぶる」

「そっ……そうか」


 中島はどこか引き気味だ。


 それにしても……おいしかったなぁ。

 またあの定食屋へ行こう。


 もう一度、アレを味わいたい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルからしてそそられました(´▽`)(笑) そして、不思議なお話しで面白かったです。 最後しっかりホラーですね。こわい(^^; 素敵な作品をありがとうございました☆彡
[良い点] 面白かったです! 他の方の感想にもありましたが、自分もおっさんつついた箸は是非とも交換したいです。白米の中、きっと白のステテコで色白のおっさんかなぁと♪ カキフライ……巨乳美女に1票! 想…
[一言] お返事について、ちょっとコメント。 食紅って食用色素で、合着から天然着色料まで色々あるらしいですが、言及されたのは「コチニール色素」だと思います。カイガラムシからとる色素ですね。wikipe…
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